2022年3月議会 一般質問の議事録:中小企業・小規模事業者への支援を/小規模公共施設の修繕業務の発注を公平に/インボイス開始で、生きがい福祉事業団は年間7,200万円の負担増/生活保護の扶養照会について/マンホールトイレ、女性の防災職員の増加を

2022年3月1日 船橋市議会 本会議

◆松崎さち 議員  日本共産党の松崎さちです。
初めに申し上げます。ロシアによるウクライナへの侵略は、人命と国の主権を侵害する暴挙です。また、戦後の国際秩序を根本から侵害するものです。プーチン大統領が核兵器を使うことまで示唆しているのは深刻です。日本共産党は強く抗議し、軍事作戦の即時中止を求めます。
では、中小企業・小規模事業者対策についてお伺いをしてまいります。
今回の議会で複数の議員の方が触れていらっしゃいますが、今、町なかではこれまでで最悪の景気、今にも店が潰れそうだと悲鳴が上がっております。国は事業復活支援金の受付を始めましたが、現場で知られておりません。しかも、前回の持続化給付金は、法人200万円、個人100万円が上限だったのに比べて、今回は、売上高1億円以下の法人であれば100万円、個人50万円と金額が半減いたしました。事業者支援として著しく不十分です。コロナ対策に使える国の臨時交付金は、留保分、補助裏分を合わせるとあと11億円余っていると伺いました。店を畳む準備をしている業者が相次いでおります。本市として、困窮する全ての中小零細事業者に届く独自に給付金制度をつくるべきではないでしょうか。
また、前回の月次支援金では、前年、前々年の同月の売上高減少額が5万円未満であるため、対象外となった事業者が現れました。小さな店にとっては毎月1万、3万の減少であっても深刻です。そうした線引きをやめることを求めますけども、ご見解をお伺いをいたします。
次に、小規模施設修繕業務の登録制度について伺います。
これは、船橋市が発注する公共施設の修繕において、1件30万円未満の契約であれば、あらかじめ登録された事業者に振り分けて発注するというものです。2019年度までは、景気の影響を受けやすい中小企業の発注機会の拡大を図る、そして、経営の安定に資する、そのために商工振興課で年間7000万円の予算が確保され、偏りがないように配慮されていました。しかし、今、これがなくなっております。私たちはこの事業を高く評価しておりましたけども、本市はこの事業、どういうふうに評価されていたのかをお伺いいたしますので、ご答弁ください。
次に、インボイスについてお伺いをいたします。
議場にお配りしましたカラーの資料で、上に生きがい船橋と書かれているものがございます。タブレットの方もご覧ください。

これは、船橋市のシルバー人材センターである生きがい福祉事業団の広報です。ここには、下のほうに、駐輪場の整理員など、会員の皆さんの配分金を来年10月から1割減らすかもしれない、あるいは、発注額を1割増やすかもしれないと書かれております。これは、消費税の10%増税に伴うインボイスがその時期から始まることに関連しますけども、このインボイスとは何なのか、なぜこういうことが起きるかをご説明いただきたいので、ご答弁ください。
次に、生活保護についてお伺いをいたします。
本市は先月、「生活保護まるわかりQ&A」というリーフレットを作り、生活保護は国民の権利と表紙に書くなど、大変評価しております。ただ、扶養照会の説明については、市民から国の制度改正が反映されていない、こういう意見が複数寄せられております。カラーの資料にリーフのコピーを載せました。

右上にありますが、扶養の部分、ここを読まれたある若い女性は、しおりやホームページにもこういう記述があるんですけれども、次のようにおっしゃいました。今、国は扶養義務の履行が期待できないと判断できる場合は扶養照会しないと言ってる。だけど、この船橋市の説明読むと、例えば、自分は実家の父親にモラハラをされて関係を断っているけども、扶養照会を避けられないような気がする。絶望的な気持ちになったとおっしゃってました。この記述1つで人生を左右される方々がいらっしゃいます。今、中野区や足立区などでは、国のどういうふうに変わったのか、具体的に書いているんですけれども、壁を取り払うような記述に改めるべきだと思いますが、ご見解を伺います。
また、市民団体であるつくろい東京ファンド、そして、生活保護問題全国対策会議(※誤りです。正しくは「生活保護問題対策全国会議」)は、扶養照会を避けるためのツールを作りました。それが、お配りしたもう1つの白黒の資料です。扶養照会に関する申出書と申出書添付シートです。制度の改善を知らない、あるいは自分からは言えない、こういう方々のために私はこれを本市の生活保護の申請で必ず使うようにしていただきたい。または、同じようなものを作っていただきたいというふうに思うんですけれども、ご見解を伺いますので、お答えください。
次に、今回、新しく提案されております一時生活支援事業についてお伺いいたします。
予算340万円、一般財源僅か113万円の事業です。一定の住まいを持たない生活困窮者に対し一定期間の宿泊場所、そして、食事の提供などを行い、自立できるように支援すると言います。しかし、この事業はホームレスの方は使えません。先日、寒い夜にホームレスの男性が生活保護を使いたがっている、こういう通報を受けまして、本当に夜遅くでしたけども、職員の方に頑張っていただきました。しかし、無料低額宿泊所が夜なんで受入れはできない。市のシェルターも今ないという状況で、結局、朝まで路上でその方は寝ているしかございませんでした。本来であれば、保護、利用を希望されているんですから、シェルターがあってしかるべきだというふうに思います。事業費を倍にしても、市の持ち出しは僅か226万円、ホームレスの方も利用できるよう制度を見直すべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。ご答弁ください。
最後に、防災や減災に関連しまして、マンホールトイレと本市の体制についてお伺いいたします。
マンホールトイレというのは、災害時、下水用のマンホールに直接汚物を流せる組立てトイレです。悪臭がしにくいので迅速な整備が求められております。来年度は2か所造るご提案ですが、そもそも設置可能な全ての学校に整備すべきではないでしょうか。千葉市ではかなりの規模で整備進んでおります。今回は、2校で予算1200万円、うち、国庫補助500万円、起債──借金は450万円、一般財源は250万円だけです。そして、借金の返還分も100万円は交付税措置される。実質的に1校当たり300万円しか船橋市の持ち出しがありません。マンホールトイレは下水道の接続が要りますが、接続されている66の校舎のうち、今回の2校を除くと53の校舎にまだマンホールトイレがありません。単純に計算すると、全部整備したら持ち出し1億6000万円、財源調整基金は一般財源の1割でいいという学者もいます。全ての学校にマンホールトイレを設置すべきだと、そういう計画をつくるべきだと考えますけども、いかがでしょうか。ご答弁ください。
最後に、危機管理課の体制についてお伺いをいたします。
防災業務に当たる女性の職員を増やすべきです。今、常勤の職員は29人、うち女性はたったの2人です。私が、これ、本当に問題だなと思う最大の理由は、去年まで備蓄されておりました生理用品、メーカー推奨の3年という保存期限を越えて備蓄されていたということを知ったからです。今は是正されてますけども、何も女性に関わる問題は生理用品だけではありません。ジェンダーの不平等は災害リスクを広げていきます。首都直下地震では、経済的に貧しい高齢女性、あるいはシングルマザーなどが最も苛酷な目に遭い、置き去りにされる懸念があると言われております。危機管理課の女性職員を抜本的に増やすことを求めますが、いかがでしょうか。
以上で1問といたしますので、お答えください。
[経済部長登壇]

◎経済部長(宮森信次) 中小企業・小規模事業者対策についてお答えをさせていただきます。
長引く新型コロナウイルス感染症の影響を受けている事業者に対する経済対策の基本的な考え方として、これまで市では、国の制度のはざまにあり、支援を求める事業者に対し支援を行うということを基本にして行ってまいりました。議員からお話がありました国の事業継続支援金につきましては、売上げが50%以上、国のほうでは下がったところに対して支援金を交付するということで、市内事業者からも、50%が救われて、49%が救われないとの声がありましたことから、市では20%~50%未満の国の支援を受けれない事業者に対して市のほうの事業継続支援金を用意して支援のほうをさせていただいた次第でございます。
議員からお話がありました国の今年度の復活支援金でございますけども、確かに金額のほうは下がっておりますが、昨年度50%以上の売上減少額の事業者に対して支援していたものが、今回、30%から支援対象としていることから、市としてはこのところに対しては支援のほうを今現在考えていないところでございます。
また、今年度行いました月次支援金の5万円でございますけども、こちらにつきましてもやはり国のほうでは50%以上売上げが下がった事業者に対し支援金のほうを交付しておりますが、市では20%~50%未満の国の制度のはざまにある事業者に対して支援をするという基本的な流れの中で支援をさせていただいてますので、売上減少額については見ましたが、5万円については国と同じような制度設計としていることから、5万円については今現在見直す考え方はございません。
次に、最悪の景気という声もありましたけども、特定の事業者に限らず、我々としても全事業者を対象に景気の対策を行う必要があるということで、12月、全事業者を対象にポイント還元事業を行ったところでございます。
次に、小規模施設修繕事業の評価と廃止理由とのことでございますけども、小規模施設修繕事業は、商工振興課におきまして、庁内の工事費30万円未満の施設修繕を取りまとめまして、小規模施設修繕業務有資格者名簿登載業者に発注する事業で、平成21年度に当時のリーマンショック対策として緊急的に開始いたしました。この事業では、小規模施設修繕業務有資格者名簿登載業者に対し一定の受注機会を幅広く与えられた一方で、修繕を行う施設を商工振興課で所管していないことから、当該修繕の必要性と見積額の妥当性の判断や修繕後の検査を適正に行うことが困難であり、また、事業者との請求書等の書類のやり取りを施設所管課を介して行うため、支払い処理に時間がかかる場合もあるなど、事業手法としては問題点があったと考えております。
このことから、30万円未満の施設修繕につきましては、各所属で発注する場合であっても原則として小規模施設修繕有資格者名簿登載業者を使用することとなっていることに鑑みまして、企画財政部とも協議し、各所属で必要な施設修繕を行えるよう、予算措置に当たっては配慮するとした上で、令和元年度をもって商工振興課の事業としては終了することとしたものでございます。
以上でございます。
[健康・高齢部長登壇]

◎健康・高齢部長(土屋仁志) お答えをいたします。
インボイス制度に関してお答えをいたします。
インボイス制度とは、令和元年10月に行われた消費税10%への増税に合わせ、軽減税率の導入により、消費税率が8%と10%になったことにより、複数税率制度の下で適正な課税を確保する観点から、令和5年10月1日に導入予定となっている制度でございます。
消費税を納める際には、預かり消費税から支払い消費税を差し引いて収める仕入税額控除を行うことができますが、インボイス制度においては、納税者が仕入税額控除を受ける場合には、課税事業者のみが発行できる適格請求書が新たに必要となります。
次に、生きがい福祉事業団への影響でございますが、現在、生きがい福祉事業団では、発注者からの預かり消費税と会員に支払う配分金に含まれる消費税について同額となるので、支払い税額控除を行うことにより、配分金に係る消費税は納税しておりません。インボイス制度が導入されますと、会員はほとんどが免税事業者のため、適格請求書を発行することができません。これにより生きがい福祉事業団は仕入税額控除を受けることができなくなり、配分金に含まれる消費税相当額を新たに納税しなければならなくなります。
しかしながら、公益財団法人である生きがい福祉事業団は公益事業のみを行っており、収入と支出の均衡を図り、内部留保を極力つくらないよう運営しなければなりません。したがいまして、新たに配分金に含まれる消費税相当額を賄う財源がないため、その財源を生み出すことが必要となります。
以上でございます。
[福祉サービス部長登壇]

◎福祉サービス部長(岩澤早苗) お答えいたします。
ご質問が3点ございました。
まず、1点は、新たに作成しました生活保護のリーフレットの表記についてでございます。その前に、議員のほうからもご紹介ありましたけれども、令和3年2月26日付、厚生労働省社会・援護局保護課長事務連絡、扶養義務履行が期待できない者の判断基準の留意点等についてということで、扶養調査のほうは緩和されている通知が出ております。現在、生活支援課のほうではそれに基づいて運用をしているところでございます。
また、リーフレットにつきましては、私も昨年の4回の定例会のほうで分かりやすいリーフレットを作成して周知に努めたいとご答弁しましたので、今回、2月中旬から周知を図るように作成はいたしました。その表記のところでございますけれども、先ほどの国の通知に基づいて運用は図っておりますけれども、この分かりやすいリーフレットについて全てを記載するということはできませんでしたので、特別な事情がある場合はご相談くださいという表現を加えているところでございます。また、毎年の改定で、他の自治体のしおり等も参考に分かりやすい内容に変更していくっていう考えはございます。今後も生活保護のしおり、あとリーフレットについてよりよいものにしてまいりたいとは考えております。
次に、つくろい東京ファンドのツールで申出書というのを作成したということで、これを市のほうでも作れないかということと、あと、受け取りをしてもらえないかということでございました。
こちらの申出書につきましては、現在は、もしもいろいろなご事情があって扶養のほうをしていただきたくないとかっていうことがありましたら、事情を丁寧に聞き取った上で対応はしているところなんですけれども、現在は口頭で受けているところではございます。この申出書を作るということは考えておりませんけれども、申請者の方から提出された場合については、聞き取りの参考として受け取りはしたいと考えております。ただ、申請者の方、相談者の方から生活保護の申請につきましてご相談、様々なご事情をご本人から聞き取りを丁寧にさせていただいた上で、扶養調査のほうを行うか判断をしていくということになります。ですので、申出書っていうのは聞き取りの参考として受け取りはさせていただく考えでございます。
最後に、今回、新たに予算計上させていただきました一時生活支援事業、これをホームレスの方も利用できるように制度を変えてほしいというご質問でございました。
この一時生活支援事業制度につきましては、一定の住居を持たない生活困窮者の方に対し、一定期間宿泊場所や食事の提供を行い、入所している間に仕事をしてアパートの敷金等の転居資金を貯めていただいて、自立できるように支援をしていくというような制度でございます。ですので、ホームレスの方が利用できないということは考えておりませんで、ホームレスの方でも自立の意思があって、入所中に仕事をし自立することが見込まれるという場合につきましては、対象とさせていただくという考えでございます。
以上でございます。
[市長公室長登壇]

◎市長公室長(田中浩二) お答えいたします。
まず、マンホールトイレでございますが、これまでも避難所におきましてはトイレが不衛生であることでトイレの使用を避けるために食料や水分を取ることを控えて体調が悪化するといった状況の報告がございます。こうしたことから、本市といたしましても、避難所において衛生的なトイレを確保することは重要な施策であると位置づけまして、その1つの策としてマンホールトイレの整備を進めてまいりました。
一方、マンホールトイレの整備と併せまして携帯トイレの備蓄も進めているところです。この携帯トイレは、小中学校や公民館などの避難所のトイレが排水管が損傷、あるいは断水などにより使用できなくなった場合でも日常生活に近い形で施設内の既存のトイレを活用して使用できるものでございますので、これについては備蓄を拡充していく計画としております。
なお、マンホールトイレの整備につきましては、基本的には下水道管路の耐震化の状況、また、防災井戸など、水源が確保されていることなどを考慮して市内5ブロックのバランスを考えながら進めているところでございます。先ほど、全ての学校、下水道が接続されている学校、整備すべきではないかとのことでございましたが、危機管理課におきましては備蓄品の拡充や更新、自主防災組織への支援、防災訓練の実施など、様々な事業を行っており、また、それに伴う予算も当然ながらつけられております。そうした中で、総合的に勘案いたしまして、マンホールトイレの整備を令和4年度は2校とさせていただいたものでございます。
いずれにいたしましても、先ほど申しましたが、避難所でのトイレ確保というのは大変重要であると、このように認識しておりますので、今後もマンホールトイレと携帯トイレの両面の施策を取り組んでいく考えでございます。
次に、危機管理課の女性職員が少ないのではないかとのことでございます。昨年、危機管理課に配属されました女性職員おりますが、現在備蓄品を担当しております。例えば、これまで昼用しか配備していなかった生理用品につきまして、夜用の生理用品も必要ではないかとの提案を受け、令和4年度から新たに備蓄する計画としておりまして、確かに女性職員ならではというふうに思ってます。
一方で、災害時の避難所などにおきましては、女性特有のニーズやプライバシーに配慮した運営が十分になされていないことがこれまでの災害でも課題が浮き彫りになっております。こうしたことから、本市でも女性の視点での対策は重要であると考え、平成26年度に防災女性モニターを設置いたしまして、このモニターから市に対して様々な提言をいただき、施策に生かしてまいったところでございます。
例を挙げますと、避難所で授乳時や着替え時に使用するワンタッチパーティションを増やしたり、ゼロ歳児向けの離乳食を新たに配備、また、子育て世代に向けた子育て防災手帳を作成し、母子健康手帳交付時に配付するなど、女性の視点に立った施策に取り組んできたところでございます。令和4年度には、女性を対象とした新たな防災講座も計画しており、市としても新たな気づきがあるのではないかというふうにも思っているところでございます。
このように、女性の視点での取組はこれまでも進めてきておりまして、また、地域防災計画におきましても、避難所運営体制の整備の中で女性や子育て家庭への配慮として記述しているほか、避難所運営マニュアルでもうたっているところです。さらに、毎年行っております地域防災リーダー養成講座におきましても、女性の視点に配慮した避難所運営について周知啓発しているところでございます。
今後も、女性の視点での防災の取組を進めていく考えですが、女性職員が少ない多いといったことにかかわらず、こういったことは進めていく考えでございます。他方、性別のみならず、年代などによって様々ニーズも異なりますので、多様な方々に着目した施策を講じていくことが必要であると考えます。
最後になりますが、女性職員の配置につきましては、毎年、職員課と所属長とがヒアリングを行う機会ございますので、そうした場面で協議をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
[松崎さち議員登壇]

◆松崎さち 議員  最初に、危機管理課の女性職員のことなんですけども、いろいろやっていただいて、思いが強いのはよく分かりましたが、やっぱり人口の半分は女性です。災害時には臨機応変な対応が求められます。人数が少ないっていうことは、それだけでマイノリティーなわけです。ですから、やはり中核になる女性職員を過半数(※「半数」の間違いです)にしていただきたいというふうに思います。感想があったらご答弁お願いします。
中小事業者への給付金についてお伺いいたします。
9月の市民意識調査で、新型コロナの影響で収入が減少しているのは自営業、自由業、経営者が、その他を除けば最も高くて33%になりました。先ほど12月に全事業者対象にポイント還元事業をやったとおっしゃってたんですけど、今日も複数の議員、今日も先番議員が批判されていた。私、全くそのとおりだというふうに思ったんですね。高齢者の経営者の方は使い方分からないわけです。やれない。そういう置いてけぼりになっている方々が今にも潰れそうになってるし、そもそも使えてた事業者の方だって、もう本当に疲弊し切っているわけです。これではやっぱり支援にはならない。むしろPayPayのほうに支援になってますね。ビッグデータをわざわざ与えてあげて、新たな販売ルートを確保してあげる……新たな販売の商品を確保してあげると。税金でやるべき事業ではないというふうに思います。私は、本当にこんなキャッシュレス決済事業が十分な支援と言えるのか、やってる感出してるだけじゃないかというふうに思いますけども、ご見解を伺います。
小規模施設修繕についてお伺いをいたします。
登録事業者の方々から、ここ数年仕事が来なくなったという訴えがありました。現在、修繕の発注は、施設課など各担当課に任されております。その結果、発注に偏りが生じております。例えば、2017年度は、登録事業者145社に対し、受注者数は143。同じく2019年度は、登録154社に対し受注は148社。ところが、昨年度は、登録156社に対し受注は102社。そして、今年度は、12月時点で受注90社、実に3分の1の事業者に仕事が回っておりません。かつては99%に回っていたのにです。コロナ禍でもゼネコンや住宅メーカーは好調ですけど、町場の工務店、あるいは職人さんは非常に厳しいとおっしゃっております。今ほど緊急対策が必要なときはないんじゃないでしょうか。また、一方、昨年度は54社が契約ゼロであったにもかかわらず、契約金額1位の事業者は年間184件、2800万円の契約、そして、2位の事業者は198件、2200万円の契約を結んでおられます。小規模修繕の総額の1割をこの2社だけで超えております。1か月15件~17件の契約をしている計算になります。
伺いますけれども、何でこういうことが起きたのか。船橋市は現状は問題ないと捉えてらっしゃいますか。以前のように均等に仕事を回すよう責任を持つ所管課を決め、偏りをなくす対策を進めるべきと考えますけれども、ご見解をお伺いいたします。
インボイスについてお伺いいたします。
年間7200万円の新たな負担が生きがい福祉事業団に発生するということです。そして、この対策として会員の皆さんへの配分金を1割減らそうか、そういうことで悩んでいると。この昨年度の会員の平均年収、あの方々は年額約66万円、月々5万5000円程度しか配分金もらっておりません。この1か月分の収入が吹き飛ぶわけです。ただでさえ、きつい仕事、市民に怒られることさえあると。少ない賃金なのに、さらに負担かぶせていいんでしょうか。この危機にどうするかは今年の夏の予算編成からもう考えなくてはなりません。私は、会員に負担をかぶせないよう船橋市が事業団に新たな支援を行うべきだと考えますけども、ご見解をお伺いいたします。
同時に、インボイスは市内に今、1万3000ほどいらっしゃる免税事業者におよそ20億円の多大な負担をかぶせかねません。業界団体では、日本商工会議所、全国中小企業団体中央会、全建総連、公益財団法人公益法人会、中小企業家同友会、全国商工団体連合会など幅広い団体がインボイスの延期、凍結、中止、見直しなどを求めております。零細業者を廃業に追い込む、貧困に追い込む、このようなインボイスは中止せよと、市として国に意見すべきだと思いますけれども、ご見解を伺いますので、ご答弁ください。
それから、生活保護の扶養照会について伺いますが、まさに今、コロナ危機の中で、生活保護を必要としている方が、でも船橋市に申請したら自分の家族に知られるかもしれないと悩んでいる、ここにやっぱり応えなきゃいけないというふうに思います。すぐにでも改定すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
それから……取りあえず、2問は以上にします。
[市長公室長登壇]

◎市長公室長(田中浩二) 危機管理課の女性職員の感想ということでしたので、一言だけ。
先ほどと繰り返しになる部分もございますが、職員課とのヒアリング、毎年所属長と行っておりますが、その中で、危機管理課の業務の特性というのもございます。これは業務柄当然なんですけれども、例えば、急な大雨警報が出た場合、泊まって対応することもございます。そして、今年になって2度ほど大雪警報、大雪注意報出ましたが、大雪注意報は警報にならずともその後の対応を考えるために市民の安全を考えるために急に泊まりになることも、もちろん全員ではございますが、当番制で行ってます。そういった急な対応も考えた場合というのを少し考慮しなければいけないと思います。
また、土のうなども災害時には住民からの要請に基づいて運んだりする。これも危機管理課、当然の業務となっています。
そういった様々なことを考慮した中でどれぐらいの人数が適正なのかといったことについて、職員課とのヒアリングの協議で女性職員の配置については進めてまいりたいと、このように思ってます。
以上です。
[経済部長登壇]

◎経済部長(宮森信次) 経済対策に関する2問目にお答えさせていただきます。
高齢の自営業者さんなど、非常にキャッシュレスが使いづらかったとのお声でございますけども、先番議員にも、キャッシュレスの使い方、セミナーについては各公民館のほうでも行ったということをご答弁させていただきましたが、ただし、出席された事業者数は確かに少なかったことから、ふだん、昼間事業やってるから参加できないとの声があった場合については、キャッシュレス事業者の営業担当者を個別に事業者のほうを回っていただきまして、親切に教えてキャッシュレスのほうの使い方に慣れていただくような作業も行ってきたところでございます。
また、このキャッシュレスポイント還元事業ですけども、経済対策として効果があったのかということでございますけども、これ単体で行ったわけではなくて、これまで、コロナの感染症が流行し始めて以降、国・県・市で、先ほど出ました継続支援金や月次支援金などなど、様々な経済対策を行う中でさらなる一手としてキャッシュレスによるポイント還元事業を行ったものでございまして、我々としては一定の効果があったものと考えているところでございます。
以上でございます。
[企画財政部長登壇]

◎企画財政部長(林康夫) お答えいたします。
小規模事業者対策のことにつきまして、小規模施設修繕の登録制度は、建設工事の入札参加資格の登録では受注機会を得ることが難しい小規模な建設業者の受注機会を確保するために平成12年度に制度化したものでございます。受注の獲得につきましては、登録する各業者の営業努力によることが基本であるとは考えておりますが、個人経営など経営規模が小さく、受注獲得の営業活動もなかなか難しい登録業者も相当数いることから、発注に当たっては小規模施設修繕登録制度の趣旨、登録業者の事情も踏まえて営業活動の難しい業者への配慮は必要と考えております。
先ほど、154ある登録業者のうち、多いところと少ないところの差があるというお話がございましたが、小規模施設修繕業務なので、緊急修繕など、水漏れとか照明器具の修繕だとか、そういう小規模施設、この登録業者さんいろんな業種の方がいらっしゃる中でやはりそういうところに偏ってしまっているところ、また、過去に類似業務の実績のある業者に再度依頼をするという施設とかがあるというようなことが起きているのかなと思いますので、そういう受注できていない業者さんを減らす取組といたしまして、今後につきましては、例えば、施設所管課の小規模施設修繕の発注状況とか未発注業者さんの情報を各課と共有できるような仕組みをつくってまいりたいと考えております。
それと、偏り等があるので、1つの課で以前やっていたようにできないかということでありますが、こちらにつきましては、先ほど経済部長がお答えになられたように、やはり緊急修繕ということでやはりスピーディーに対応するとか、そういうこともございましたので、各所管課のほうでそこにつきましては進めていきたいと考えております。
次に、インボイスのところにつきまして、適格請求書等保存方式、いわゆるインボイス制度につきましては、消費税の複数税率制度の下、売手が買手に対して正確な適用税率や消費税額等を伝える手段であり、取引や消費税納税の透明性を図る制度であると認識しておりますので、そのような制度の趣旨からも、国に対して中止とかその他要望していくということは現在考えてはおりません。
[健康・高齢部長登壇]

◎健康・高齢部長(土屋仁志) インボイスの所管事項についてお答えをいたします。
現在、生きがい福祉事業団では消費税相当額を賄う財源確保のため、情報収集を行い、新年度でどのようにするか、具体的な検討を行っていくと聞いております。しかしながら、現段階ではどのように財源を確保するのかにつきましては決定していないとのことでございました。
市といたしましては、全国団体である公益社団法人全国シルバー人材センター事業協会でもその対応を検討しているとのことですので、このような関係団体や生きがい福祉事業団の状況を聞き取りをし、どのような支援ができるか検討してまいりたいと考えております。
[福祉サービス部長登壇]

◎福祉サービス部長(岩澤早苗) 生活保護・生活困窮者対策の2問目についてお答えいたします。
扶養照会を改善してほしいというご質問でございました。生活保護法第4条第2項において、扶養義務者の扶養は保護に優先して行われるものと定めており、同条第1項に定める保護の要件とは異なる位置づけのものと規定しておりますことから、扶養が行われないと生活保護は受けられないということはありませんが、生活保護法の原則として、他の法律や他の施策を優先するというものがありますことから、国が定める保護の実施要領に基づいて扶養調査を行っているところでございます。
先ほども申しましたが、令和3年2月26日付の国の通知に基づいて、今、扶養調査のほうは運用を行っているところでございますが、例えば、10年以上音信不通で交流が断絶しているとか、非稼働者の方、年齢が高い方がいらっしゃる、そういう方、70歳以上の高齢者の方とか、そういう判断基準がございますので、扶養義務の履行が期待できないと判断される扶養義務者には扶養照会は行っております。全ての申請者の方の調査を行うということではなく、繰り返しになりますけれども、申請される方はそれぞれに違った事情があるため、国の通知に従い、親族との関係等を丁寧に聞き取り、申請者個々の事情により慎重に判断しているところでございます。
以上でございます。
[松崎さち議員登壇]

◆松崎さち 議員  扶養照会についてお伺いいたします。
船橋市が国の通知に基づいてちゃんとやってることは評価いたしますが、それを全市民に知らせていただきたいというのが趣旨です。私も氷河期世代です。非正規雇用を10年間しておりました。今、コロナの中で生活保護は非常に私にとっては身近に感じます。そして、申請をしたとしたら、自分の兄弟に知られるかもしれない。それは本当に苦痛なことです。関係が悪くないからこそ知られたくないわけです。そこにどうか想像力を働かせていただきたい。そういう問題が扶養照会にあるというふうにお認めになりますでしょうか。まずそのことをお伺いいたします。
それから、インボイスについて伺います。(予定時間終了2分前の合図)
インボイスが始まれば……国に全く意見する気はないというお答えだったんですけども、恐らくばたばたと事業者が潰れて貧困が広がっていくと思います。これを放置するんでしょうか。そもそも零細事業者やフリーランスの危機だというご認識が船橋市にあるのかどうかを伺います。
また、下水道事業、病院、卸売市場、南口再開発など、船橋市が消費税を納税している事業がございます。これらにどういう影響があるのか、調査をすべきではないでしょうか。ご答弁ください。
価格競争に弱い中小零細事業者は身銭を切って消費税を納税しているのが実態であり、今、よくネットで言われてるような益税なんていうものはありません。自営業者だけではなく、ウーバーイーツなどの宅配パートナーの皆さん、個人タクシーの皆さん、俳優やライター、脚本家、音楽家、イラストレーター、そして、農家、一人親方など、様々な業種が今回影響を受けることになります。そもそも消費税は低所得者ほど負担が重い逆進性が高い、そういう税金であり、減税や廃止が必要だというふうに私たちは考えております。全く国に対して意見を言わないというのは納得がいきません。市長はこの点どういうふうに思われるのか、ご答弁をお伺いをしたいというふうに思います。
それから、キャッシュレス決済なんですけれども、17億円もかけて一定効果があったと言われても、とても納得ができるものではございません。給付金の制度をやっておけばよかったというふうに思うわけです。このような偏った制度をやっておきながら正当化すべきではないっていうふうに思いますので(予定時間終了の合図)、よろしくお願いします。
以上です。
[福祉サービス部長登壇]

◎福祉サービス部長(岩澤早苗) 生活保護・生活困窮者対策の3問目についてお答えいたします。
扶養調査については、苦痛というか、ということを認めますでしょうかというようなご質問だったかと思います。扶養調査というのは、先ほど言ったように、いろいろ通知に基づいてやってはいますけれども、その方のご事情によっては大変だなと感じるっていうことは理解はいたします。
ただ、扶養照会をやらないということは、先ほど言いましたけれども、できませんものですから、それぞれの方に寄り添ってご事情を伺いながら、慎重に扶養照会をするかどうかの判断というのはさせていただきたい、聞き取りをしながら今後も対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
[副市長登壇]

◎副市長(杉田修) インボイスに関しますご質問に、市長にとのことでございますが、所管ですので私のほうからお答えをさせていただきたいと思います。
ご質問者もよくよくご存じだとは思いますけれども、このインボイス、先ほど所管部長のほうからも説明がありましたが、基本的な導入の理由が、何も個人小規模事業者に負担を強いるとかそういった話ではございませんで、1つには、取引におけます消費税額、これを正確に把握するということ、いわゆる軽減税率の導入に伴ってこのインボイスという制度も導入をされるということ、それから、正確な税率も確認ができるという、さらには、不正やミスを防ぐためのという理由がございます。主だった理由として、一般的に言われているのがこの3つというふうにされてるんですが、先ほども言いましたように、個人小規模事業者、これに負担を強いているのではなくて、基本的に、今まで消費税優遇措置という形でこの免税の措置が取られてきた部分もございます。といいますのは、これもご存じだと思いますが、法人なりといいまして、創業の1~2年目、これについては基本的には免税事業者になることが可能になります。その分、その期間は消費税を納めなくても済むという状況が今までずうっと生まれてきてました。これは、一方、別の側面から見れば、消費税を本来なら支払わなくちゃ、納税しなくちゃいけないところであるにもかかわらず、今までそういった制度、これは制度ですから別に悪いことではないんですが、優遇を受けていたということでございます。そうした優遇措置を今回の法律に基づいて、しっかりとインボイスという適格請求書等の制度に基づいて令和5年10月から実施をされるというところでございます。
それから、実際に、小規模個人事業者、これも危機感をというようなお話もございました。一概には様々なところで、そういったところが言われているということは私も耳にするところでもございます。
ただ、方法論としては、ただ単に免税事業者のままでそのまま移行するという場合も当然ありますし、ただ、免税事業者のままでいくと、結局、課税事業者がそこに事業を要するに回さない恐れもあると、出てくるというようなデメリットも当然うたわれているところでもございます。そういったところは、それぞれの個人、それから小規模事業者のお考え次第だと思いますけれども、課税事業者に転ずるということも当然可能ではあるわけです。なおかつ、国におきましては、基本的にはこの6年間の消費税分の、段階的にこれは廃止をするというような、仕入れ税額の控除については段階的に廃止をするという制度を設けていることや、先ほど言いました、私、課税事業者とならざるを得ないというような場合であっても、簡易課税制度というような特例制度も設けているところでもございますので、そういった制度を十分活用できるのではないかなというところがあります。
ただ、そうはいうもののというところはございまして、先ほど、市としては国に対してそういった廃止とかそういった要望はというのは、これは担当部長がお答えしたとおりでございますが、例えば、例えばという言い方もおかしいですけれども、先ほど例に出されました生きがい福祉事業団ですね、全国のシルバー人材センターにこれは共通する大きな問題であるということも私どもも認識をしているところです。ですので、例えば、全国市長会などからは、当然、その雇用就業対策に関する提言とかそういった形で国へは提出をしているところでもございますので、そういったところもいろいろと情報を収集して、しっかりとこれについては市として対応できるところがあれば、これはやっていかなくちゃいけないなというふうには考えております。
ちょっと長くなってすいません。以上でございます。

(終)

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最後に副市長は「小規模事業者は消費税優遇措置という形で免税の措置が取られてきた部分がある」と益税論を述べられましたが、これは政府も持ち出している話です。

しかし益税論は誤りです。大多数の小規模事業者が実際の取引の場面で、消費税の価格転嫁ができるなら「益税」があると言えますが、実態はできていないからです。価格転嫁は法的に保障されていませんし、転嫁したら高値のために商品が売れなくなる恐れがあります。元々の価格が高いからじゃないの?と言われそうですが、大企業と違い小規模事業者は、仕入れ値を格安にできるわけではありません。益税論はそうした現実を全く無視している、机上の論理です。

もっとも、この時の一般質問では発言回数の制限があり、残念ながらそうした反論ができませんでした。そういう面ではうまくいきませんでしたので、次回に活かしたいと思います。

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