「フラワーデモから刑法改正へー声を上げ始めた女性たち」JCP With Youのトークイベントに行ってきました

ジェンダー

21日、日本共産党本部で開かれたトーク&交流イベント「フラワーデモから刑法改正へー声を上げ始めた女性たち」に参加しました。主催は日本共産党の「個人の尊厳とジェンダー平等のためのJCP With You」チームです。

作家でフラワーデモ呼びかけ人の北原みのりさん、フリーライターの小川たまかさん、弁護士で参議院議員の山添拓さんがトークを行いました。

日本共産党の志位和夫委員長も冒頭で挨拶し、会場からの質問にも答えました。

会場には参加者として吉良佳子参院議員、池内さおり前衆院議員、次期の都議選に挑戦する原純子さんも来ていました。

フラワーデモとは、性暴力に抗議するデモです。今年3月、4つの地裁で性暴力に対して無罪という判決が出され、加害者の中には実の娘を中学生の時から性的虐待してきた父親もいることが報道されました。そんな事件が無罪とは信じがたいことですが、残念ながら事実です。これを受けて性被害の実態への理解や刑法改正、性暴力の根絶を訴えるフラワーデモを4月11日に東京で行うことがSNSで呼びかけられ、400人〜500人が集まったそうです。その呼びかけ人の一人が北原みのりさんです。フラワーデモはその後全国に広がり、毎月11日に行われています。千葉県でも6月から市川市、千葉市、習志野市など各地で開催され、11月11日は船橋駅南口で18時〜19時に行われる予定です。

フラワーデモを始めたきっかけを語る北原みのりさん。女性たちがいてもたってもいられない思いで集まり、被害や思いを語り始めた経緯を教えてくれました。また性暴力を告発する被害者に対して「勇気がある」という称賛が、却って全ての被害者が語りにくい状況を作っているのではないかとのこと。社会には性被害を「聞く力」が求められているとのことでした。

性暴力の取材、執筆をするようになったきっかけを話した小川たまかさん。多くの女性が子どもの頃から満員電車では痴漢に遭うことが、男性たちにはあまりにも知られていないことに気づき、自身の体験も含めて執筆。周りの男性から「そんなことになっていたのか」と驚かれたといいます。

山添拓参院議員は問題になった4つの地裁判決や、刑法の問題点を解説しました。刑法は2017年に110年ぶりの改正が行われ、強制性交等罪の非親告罪化、被害者を女性以外にも拡大する、監護者性交等罪などの新設、強制性交等罪の法定刑の下限を3年から5年に引き上げるなどの抜本改正がされました。一方で「暴行・脅迫要件」が残り、被害者が13歳以上の場合、加害者が暴行・脅迫を用いて性暴力を行なったのでなければ罪に問えないままとなりました。実際には暴行・脅迫をされなくても「怖くて身動きができなかった」「フリーズしてしまった」というケースが多いのですが、その場合は刑法で救済されません。またいわゆる性交同意年齢は13歳とされたままなのでこれを引き上げること、強制性交等罪などの公訴時効の停廃止、配偶者間の強姦の処罰化、刑法における性犯罪の条文の位置など、課題が残されています。

刑法の3年後の見直しが附則に定められ、その年にあたる2020年は間もなくですが、政府は真剣に検討している様子はないと言います。こうした現状の根底には社会の根強い女性差別があることも語り合われました。

北原さんは「同意のない性行為は犯罪だと定める必要がある」とのこと。問題になった判決は4つのうち三つが同意のない性交だったと裁判官が認めたにも関わらず無罪になっています。ドイツでは2016年に「暴行・脅迫要件」を撤廃しており、日本も変わっていく必要があるということでした。

最後に会場から何人かの方が質問され、ゲストが答える交流も。日本共産党に対しては「議員ではなく、意思決定機関の女性比率はどれくらいか」という質問が出され、志位さんが答えました。「22%程度であり、反省すべきところは反省したい。長い目で見てほしい」とのことでした。

最初から最後まで「本当にその通りだよな」と頷きっぱなしのトークイベントでした。まだまだ知らないことがたくさんあります。謙虚な姿勢で学んでいきたいと思います。

イベントの動画はネット上で公開されていますので、ぜひご覧ください。

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