2024年6月24日、船橋市議会の本会議で、児童相談所の新築工事などの契約についてと、開設が3ヶ月遅れになることの影響について質問しました。また、新しい教育委員の任命に関連して、包括的性教育への見解について質問し、同教育の推進を求めました。
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◆松崎さち 議員 日本共産党の松崎さちです。
それでは、議案第13号~第15号はまとめてお伺いいたしまして、その後に議案16号についてお伺いいたします。
ただいま追加されました13号~15号は、本市の児童相談所の新築工事契約21億1849万円、同じく児相の電気設備工事請負契約4億2955万円、機械設備工事請負契約4億678万円の契約の締結についてです。
こども家庭庁の昨年の発表によりますと、2022年度の児童虐待の相談対応件数は21万9790件、過去最高です。10年前と比べ約3倍といいます。
千葉県では、一昨年度1万1219件と前の年より減っておりますが、本市の担当課の調査によりますと、定員28人である市川児童相談所の一時保護所では今月1日時点で61人が暮らしており、定員の218%もの子供たちが暮らすことを余儀なくされております。その61人のうち25人が船橋市民の子供です。市川児童相談所の労働環境のあまりの過酷さから、精神疾患を発症する県職員が相次いでおります。元職員が千葉県を相手取って裁判を起こしている、こんな実態さえ今あります。
こうした状況下、日本共産党は児相がその役割を本来、発揮できるよう、専門職員の養成、相談員の増員、相談所の増設など、抜本的に政府は拡充すべき、こういう立場でございますので、その立場で今日もお伺いしたいと思います。
本市は昨年度の当初予算で、児童相談所の建設費としての債務負担行為限度額、約26億円を3年間で設定しました。そして昨年10月、一般競争入札の開始を公告しましたが、予定価格を非公表とした新築工事の入札がありませんでした。そこで、2月の再度公告では17億4680万円の予定価格を事前公表としました。しかし、これも応札がなく、建設業者に事情を聴いてから3月議会で34億円の建設費を組み直しました。そして、4月に新築工事の予定価格を21億1860万、つまり4億円近く引き上げて3度目の入札開始としたところ、新築工事も含めて応札があったと。それで、今回の議案の上程に至ったということです。
2022年8月、本市の財政課が行いました財政推計では、児童相談所整備の事業費は、設計費約5000万円を含め約19億円でございました。これが今や34億円。1.8倍です。あくまで財政推計だったという前提はあるものの、物価高騰の勢いのすさまじさを物語っております。
ところで、本市は新築工事に2回目の応札がなかった原因について、先ほど申し上げたとおり、建設業者に聞き取り調査を行いました。その相手はどこの業者だったのでしょうか。新築工事契約の相手方は戸田・京成特定建設工事共同企業体、構成員は大手ゼネコンの戸田建設、京成グループの京成建設ですけども、これらの企業に聞き取りを行ったのかどうかお伺いをいたします。
◎建築部長(木村智) ヒアリングにつきましては、今回の工事に関心を持っている業者に対して行うことが早期の不調となった原因の把握や再公告に当たり重要と考え、国からの通知に基づき、設計図面を取得した企業に対して実施いたしました。その中に、今回の落札業者も含まれているところでございます。
◆松崎さち 議員 今回の落札業者も含まれているということで、まさに今契約に至ろうという相手そのものに、どれくらいの額であればこの契約受注できるか尋ねておられます。
そして今回、3件の契約案件の全てが1者入札です。新築工事の落札率は99.999%、新築電気設備工事と機械設備工事の落札率はいずれも100%です。3件とも予定価格を事前に公表していたとはいえ、異常な高さの落札率であります。
工事の発注を急ぐ本市の弱みに付け込まれて、工事契約の主導権をゼネコン側に握られている、こういうことはないんでしょうか。なぜここまで落札率が異常に高いのか、市のご見解をお伺いいたします。
◎企画財政部長(林康夫) お答えいたします。
入札に係ります入札金額につきましては、入札に参加する業者が決めるものですので、このような結果になった理由についてはあくまでも推測となりますが、今回、新築工事につきましては業者からヒアリング等を行った上で新年度単価の適用や最新の実勢価格の反映等といった設計金額の見直しを行ったため、実勢価格に見合った設計金額となった結果ではないかと考えているところでございます。
また、設備工事2件につきましては、一般的に建設業を取り巻く情勢として、建設需要が非常に高く、働き方改革に伴う労働時間規制の影響もあり、業者が新築案件をこれまでになく厳しく選定している状況と聞いています。
このような情勢の中、各業者は採算性や技術者の確保等を考慮した上で、入札金額を積算し、事前公表している予定価格の範囲で入札できる業者が結果として1者であったものと考えているところでございます。
◆松崎さち 議員 設備工事については非常に今ニーズが高くなっていて、業者がかつてなく厳しく選定している結果がこれではないかというお話がございました。
ただ、以前から予定価格の事前公表が落札率を低下させる力があると言われてきましたので、しかもなぜ1者なのかということはやはりすぐには納得しかねると思います。
次に、入札不調が相次いだことから、児童相談所の開設が3か月遅れになったことについてお伺いいたします。
本市は、2026年4月からの3か月間は開設準備に充てるとおっしゃっておられますけれども、この開設に当たって大変心配されているのは職員の確保であります。
児相は世間から注目されているというプレッシャーがあります。一時保護という大変強力な権限がある反面、保護者から強く憎まれることもあります。子供たちのケアは専門的な知識と経験を必要とし、福祉の中でも特殊な職場と言われております。
本市は千葉県からベテラン職員の派遣が受けられるよう協議していると伺っております。この点で、3か月遅れによって影響はないのでしょうか。
また、市川児相の一時保護所にいる船橋の子供たちについても3か月遅れでどういう影響があるのかお伺いいたします。
◎こども家庭部長(森昌春) お答えいたします。
建物引渡し後の令和8年4月から7月までの開設までの間は、施設内において開設に向けた様々な準備を行う予定でございますので、開設が3か月遅れることになりましたが、職員採用への影響はございません。
また、千葉県との人事交流についても影響はないものと考えております。
最後に、市川児童相談所の一時保護所に令和8年4月から7月までの間に保護されている児童については、この間、船橋市が7月1日に児童相談所を開設いたしますので、その間に適切な引継ぎが行われるよう、準備をしてまいります。
以上です。
◆松崎さち 議員 採用や県との人事交流も特に問題ないということでありました。
この点なんですけれども、了解はしたと申し上げたいと思うんですけども、市川児相の一時保護所をめぐっては、先ほど述べたとおり、職員の勤務環境をめぐって本当に深刻な事態が起きております。ネット上では弁護団が訴状を公開しておりまして、誰でもどういう実態があるのかを見れる貴重な資料になっております。
私も拝見しましたが、市川児相の一時保護所ではその当時、休憩がない。職員は宿直用の仮眠室もない。布団が足りない。廊下で寝ている。宿直の時間の全てが夜間の勤務時間として換算されず、真っ当な給料が支払われていない。正規の新入職員なのに研修もなしにいきなり現場に入らされる。そして、そんなひどい勤務環境の中、子供たちに対してはトイレに行くときも一言言ってから行きなさいと、まるで刑務所のような管理をしている。そのことが本当につらかったと原告の方が語っておられます。本来、児相というのは子供の最後のとりでです。
本市は職員と子供の人権を尊重する児童相談所を目指していると伺っております。職員の人権を尊重しない職場は、児相本来の役割が発揮できません。本市の開設に当たっては、同時期に県内外で児相が複数増設され、職員確保に非常に課題が出てくることになります。国や県に体制拡充の責任を果たせと強く要求すべきと考えますし、本市としてもぜひ予算措置を求めたいと思います。
では続きまして、議案第16号教育委員会委員任命の同意を求めることについてお伺いをいたします。
今回の新しい方は、船橋市医師会の理事の方、そして本市の要保護児童及びDV対策地域協議会代表者会議委員、児相の基本構想改訂検討会委員の方でもあるということで、改めてお伺いしたいことがございます。
私は教育の大きな問題の1つは、世界的に見て日本の性教育は20年も30年も遅れている、専門家からこういうふうに指摘されているこの現状だと考えます。つまり、子供への性暴力を防ぐ環境づくりが、この国においては極めて弱いと思います。
先日は、東京都知事選挙においてあまりにもひどい選挙ポスターが貼られるという事態が起きました。
現在の日本の公教育は、子供が性暴力の本質を理解することを妨げております。学ぶ権利を保障していません。
一方で、昨年、全国の盗撮行為の検挙件数は5,700件、過去最高に至りました。インターネットでは、グーグルでも児童ポルノの画像や動画に簡単に誰でもたどり着けるという現実があります。
今月8日のNHKスペシャルで、「調査報道・子どもを狙う盗撮・児童ポルノの闇」という番組がありましたけど、ご覧になった方もいらっしゃるんではないでしょうか。ある女性は交際相手に請われて送信した自らの裸の写真を知らない間にインターネットで拡散され、婚約者から結婚を断られ、独り親になっております。子供が将来いじめられるのが心配だと語っておられます。
クリック1つで人生が破壊されかねません。
NHKはまた、子供の盗撮写真をネット上で共有する男性たちのオフ会にも潜入取材を行っておりました。妻も子もいるというある主催者の男性は、もしばれたら社会的に終わってしまう。何度も盗撮をやめたいと思ったけども、機材も捨てたこともあるけど、また買ってしまうと中毒性を示唆しておりました。盗撮をやめるために10年も治療しているというある男性は、自分は女性を当時、物として見ていた。盗撮をしていると相手の優位に立てるような気がしたと語っています。最後に専門家が、地道な性教育が必要、私たちの社会が性犯罪を許容している現実があるんだとこう指摘されてましたけども、まさにそのとおりだなと考えました。加害者も被害者もつくらない地道な性教育が必要です。
こうした中で今回の任命の同意を求められている教育委員候補の方は、包括的性教育についてどういったご見解をお持ちでしょうか。
また、群馬県みなかみ町の小学校で、今月4日、70代の男性小児科医が本人や保護者の同意を得ず、下着の中をのぞいて下半身を視診していたという事件がありました。この事件についても同じく医師である教育委員候補の方がどのようなお考えをお持ちなのか、お伺いいたします。
◎市長(松戸徹) ご質問にお答えをさせていただきます。
今回、教育委員候補の人選に当たりまして、直接いろいろやり取りをさせていただきました。その中で、ご質問にあった2点についてもお答えをいただいておりますので、答弁させていただきます。
まず、包括的性教育についてでありますけれども、委員候補である大塚氏のほうからは、一方的な知識としての性教育だけではなく、子供たちの健康とウエルビーイング──幸福や喜び、または子供たちの尊厳を実現すること、子供たち自身のいろいろな選択が自分や他者のウエルビーイングにどう影響するのかを考えることなど、コンセプトが明確になっているということであります。
昨今、家庭内の性的虐待や性犯罪目的のSNSなど、性に関する問題は、トラウマとなって子供のその後の精神的成長に多大な影響を与えている。そして、自分を守ること、搾取されないこと、犯罪に遭ったとしても早期に助けを求めることなどを考えたら、学校で正しい知識を教えて、また考えさせる教育はとても重要ではないかということでございました。
次に、群馬県のみなかみ町立の小学校の事件についてでありますけれども、これについては、医師の性的な行為だとすれば、あっては絶対ならないことであると。そして、千葉県では学校健診について、生徒保護者に向け、動画を作って千葉県医師会の学校保健サイトで目的や項目などを公開をしている。学校でぜひ勧めていただけたらいいのではないかと思っていると。生徒たちが健診で具体的に何をするのかということを知っていることは、ごく少数とはいえ、よからぬことを考えているそういった学校医がいるとするのであれば、そのような行為ができないような抑止になるというふうに考えているということでございました。
以上です。
◆松崎さち 議員 非常に勇気づけられるいいご回答をいただけたと思っております。
あわせて、実践についてお伺いいたします。
本市の人口は約65万人に届こうとしております。既に島根県や高知県に匹敵するほどの規模になってきております。
既に世田谷区や神奈川県など複数の自治体では包括的性教育を学習指導要領の「はどめ規定」を越えて実施をしております。
本市でもこれを推進していくことは、全国にも大きな影響を及ぼす、国政にも影響を与えると私は考えます。本市で包括的性教育を推進することそのものについて、大塚さんがどのようにお考えなのかお伺いいたします。
◎学校教育部長(日高祐一郎) お答えいたします。
今、議員から大塚氏がどういうふうにお考えになるかというご質問でしたが、この件につきましては、私から、教育委員会として今後どういうふうに進めていこうと考えているかという視点でお答えさせていただきたいと思います。
現在、学校における性に関する教育につきましては、学習指導要領に基づき、児童生徒が性に関して正しく理解し、適切に行動を取れるようにすることを目的として、保健体育課を中心に実施しております。
しかしながら、現在の子供を取り巻く環境については多岐にわたる問題があることから、包括的な性教育の必要性が望まれているところです。
学校における包括的性教育の推進につきましては、各学校において特別な教科道徳、特別活動等を含んだ各教科横断的及び児童生徒の発達段階に応じた教育が必要であると考えております。
大塚氏が教育委員になられた際には、ご意見をいただきながら進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆松崎さち 議員 では、お尋ねしたいんですけれども、大塚さん自身が包括的性教育の推進についてどのようにお考えなのか、船橋市は把握されているんでしょうか。お伺いいたします。
◎市長(松戸徹) 今回、人選に当たってやり取りをする中で、包括的性教育について、候補となられている大塚医師が今後どういった形でやっていくかという具体的なやり取りはしておりません。
ただ、大塚医師のほう──候補者のほうからは、先ほど申し上げたように、明確にこの包括的性教育についての考え方については伺っておりますので、当然、教育委員会議の中でそういった議題について積極的に発言をしていただけると思いますし、また先ほど、今、教育委員会としての進め方、これちょっと地教行法の関係で、私が教育の中身までこの場でどういったやり方をしていくんだということはふさわしくないので、教育委員会のほうで今答弁をしてもらいましたけれども、当然、教育委員会としても、そういった今後についてのいろいろなテーマの中の大切な1つとして取り扱っていくと思いますので、その際には当然、大塚委員候補がもしも選定されるんであれば、その時点で様々な知見を持ちながらご意見をいただいて、それを参考にしながらほかの教育委員の方と同時に、一緒になって取り組む方向性というのは、また具体的な手法については見いだしてもらえるというふうに考えております。
以上です。
◆松崎さち 議員 はい、分かりました。
先ほど紹介しましたNHKスペシャルなんですけども、アメリカではネット上の性暴力を苦に自ら命を絶った子供たちも相次いでおります。その保護者の方々が運動をして、議会が動いているという現状も取り上げられておりました。
包括的性教育が日本より進んでいるアメリカでさえそうした痛ましい事件が起きている。一方で、日本はどうなのか。可視化されていないだけではないでしょうか。インターネットや一部の政党が行うトランスヘイトに恐怖を感じている市民もいます。性をめぐる問題に蓋をせず、率直に目を向けて考えるべきです。
子供はあっという間に成長します。何年も待つことはできないと私は考えますので、まさに包括的性教育の実施は待ったなしだということを申し上げまして、質問を終わります。