船橋駅前のタワマン建設は、周辺環境の悪化を招きかねないーー計画の見直しを

まちづくり

本日8日午前、船橋市が開いた「都市計画に関する公聴会」で発言しました。議題はJR船橋駅南口の西武デパート跡地に関する都市計画です。

現在の地権者である大和ハウス工業は、地上200メートルのタワーマンションを建設予定で、船橋市はそのために規制緩和を行う予定です。この場所では2018年、セブン&アイホールディングスと船橋市による、市立文化ホールを移設したタワマンを造る動きがありましたが、市民の批判が広がり頓挫したという経緯があります。今回は公共施設の移転計画はありませんが、周辺の住環境悪化を招く恐れがあります。実際、ビル風を心配する声が地元から出されています。

私は公聴会で、風害の検証が不十分だということ、急激な人口増で学校や避難所が不足する恐れがあることを指摘し、計画の抜本的な見直しを求めました。また船橋駅周辺は公園が少ないため、市が土地を買い取り駅前広場を造ることや、情報公開を進めながら地元住民も加えて民主的な街づくりを行うことを提案しました。

公述人は全4名で、私の前に市議の朝倉幹晴さんと、市民の方2名が行われました。朝倉さんは「今の所大きな反対運動はなく、計画は承認されそうだが、承認後も大和ハウス工業は住民への配慮が必要」と述べて、特に本町や海神の住民への十分な説明会、躯体がある程度できてからの風洞実験、ペデストリアンデッキへのベンチ設置、CO2削減のために住居用駐車場を大幅に減らして管理組合がカーシェアリングを実施すること、避難スペースの見学など近隣住民と新住民との交流などについて語られました。

2番目の方からは「人口が過密になるのでは」「商業地域に相応しい運用を」などのご指摘・ご要望が出され、風害については「春先や冬場、この地域は風が強い。ここに合った実験をしてほしい」とのことでした。また超高層ビルからの落下物は危険であり、対策が必要とも述べられました。

3番目の方は「実現すれば県内1の高さのビルとなるが、マンションの住民しか眺望を楽しむことができない。庶民に開放されるのは低層部のみであり、『賑わい』が作れるのか疑問だ。富士山が見られるような、誰でも利用できる展望室を公共施設として造ってほしい」とのことでした。

今回の公述は市によって録音されており、後日公述の要旨と船橋市の考え方が、市のホームページで公開されます。情報公開請求をすれば議事録も公開されるとのことです。

公聴会の開催案内については、SNSやホームページの他、広報の小さなスペースに掲載されただけだったからか、傍聴された方が少なかったのは残念でした。朝倉さんは「本当は関心のある人がたくさんいるはず」とおっしゃってましたが、私もそう思います。

このページの最後に私の公述原稿を載せます。よろしければ、ご覧ください。

###

西船に住む、船橋市議会議員の松崎佐智と申します。所属政党は日本共産党です。

私は船橋都市計画特定街区(本町1丁目特定街区)の変更案の概要について、様々な懸念があることから、抜本的な見直しを行うことを求めます。

提案では特定街区の規制について、建物の容積率を現行の750%から900%に、高層部の高さの最高限度を現行の44.5メートルから200メートルへ緩和するとされています。船橋市の説明によると、6階建の商業事務所棟と隣接して、51階建、約670戸の住宅棟=タワーマンションの建設が計画されています。

この計画は、周辺の住環境を悪化させる恐れがあります。今日は大きく2点指摘させていただきたいのですが、一つはビル風です。

計画地の南西には片側1車線の狭い道路があり、反対側にビルが複数棟、建設されています。タワマン建設後、この道路を中心に、強いビル風が吹くのではないでしょうか。

今でも計画地のすぐ近くである本町スクランブル交差点ではビル風が強く、なんとかしてほしいという声が出されます。6月9日の船橋市議会では、ある議員さんが、「高齢者の方々が歩くのもままならない状況である。市民の方からビル風の懸念が多く寄せられている」「船橋駅南口再開発事業の区域の中の、この高層ビルの反対側の東地区というところは、低層の建物が多くて、他から風の被害を受けやすい場所でもある。南口周辺、全体的な風対策っていうのも考えていかなければならない」と発言されました。大事なご指摘です。

船橋市は、株式会社泉創建エンジニアリング、都市環境技術研究所が事前に行った風洞実験によれば、樹木を周辺に植えることで、風害は軽減されるとしています。

しかしこの実験でも、平均風速1.2メートル以下の風環境だった複数の地点が、タワマン建設後に平均風速1.8メートル以下に置き換わっています。風速が強まった地点で最も顕著なのはタワマン南西の道路ですが、それだけでなくJRの駅のホームと思われる3地点、駅南口正面のエスカレーター付近、京成船橋駅のエスカレーター付近、フェイスビルの南と西、それからタワマンより比較的離れた南西の4地点など、広範囲に渡って平均風速が強まっています。

また、市の資料には平均風速とともに日最大平均風速の年間の平均値も示されました。平均2.9メートル以下から平均4.3メートル以下に増えるとのことです。しかしこれは平均値で、最大風速がどれほどになるかは、今でも分かりません。

市は「高層部のコーナーを斜め形状とすること、手すりやルーバーを設けて壁面に凸凹をつくるなどのビル風対策を行うことから、さらに風の影響は軽減されるものと考える」とも述べていますが、その結果ビル風がどうなるのか、定量的に示されていません。これでは単なる誤魔化しではないでしょうか。

先行してタワマンが建設されている地域では、「植栽が吹き飛んだ」「突風で窓ガラスが割れた」などの被害が報告されています。ビル風の影響を最も受けると考えられる周辺住民のみなさん、船橋駅を利用する通勤・通学者のみなさんに要望や不安な点などをアンケートで聞き取り、調査研究すべきです。

また今回の風洞実験を行ったのは民間企業ですが、大学など公共性が担保できる機関にビル風の影響を調査依頼し、市民に情報公開すべきです。

もう一つはタワマン建設が、公共施設の不足を引き起こし、市民に損害を与えかねないということです。

開発業者はタワマンを建設して販売すれば終わりですが、自治体はそうは行きません。市民の暮らしを守る義務があります。

第一に学校不足の問題です。市によると西武跡地の通学区域の中学校は、船橋中学校です。船橋中学校は今年度、(通常学級の)生徒数が1134人(※特別支援学級の生徒数との合計では1144人)、1年生は10クラスで、各学級の人数は39人〜40人。少人数学級が求められているのに、詰め込み状態です。

タワマンの670戸のうち、半分はファミリー世帯が対象です。船橋中学校の通学区域では他にも開発が予定されている区域があり、今後学校が不足する恐れがあるのではないでしょうか。その建設費も維持管理費も、大和ハウス工業ではなく、市民、県民が負担することになります。仮に新たに造らなくても、教室の過密化で子どもの学習環境に皺寄せが行きかねません。

第二に、避難所不足の問題です。

この地域は公設の避難所が不足しています。2019年の大型台風により、中央公民館や船橋小学校に多くの避難者が訪れました。私は2月24日の市議会で、大災害時にタワマンのエレベーターが止まったら、避難所がパンクするのではないかと申し上げました。

(当時の)市長公室長は、「マンションの中で過ごせるよう対策されるだろうし、イオンなど民間施設も活用できる」と答えましたが、公共(公的)責任を放棄するお答えです。

西武跡地は市の地震ハザードマップによると、液状化の危険性が高い地域です。大地震で水道などのインフラが途絶えたら、マンションに留まることはできません。

そもそも計画地は商業地域で、中心市街地中の市街地です。そこになぜタワマンなのかということではないでしょうか。

もとより公園の少ない地域ですから、市が買い取り駅前広場を造るなど、計画を見直すべきです。

徹底的に市民に情報公開を進めながら、地元住民も加えた民主的な街づくりを行うことを強く求めて、私の公述といたします。

▲風環境評価尺度(船橋市の都市計画課の資料より)※一番下にPDFを転載します

▲風害対策をせずにタワマンが建設された時の風環境(船橋市の都市計画課の資料より)

▲防風対策を行った結果の風環境(船橋市の都市計画課の資料より)

船橋駅前タワマンの日影や風害等についてのサムネイル

▲2023年3月24、25日の説明会で、市がスライドに映した資料「日影規制や風害等について」のPDF

都市計画変更の手続き(本町1丁目特定街区)(西武船橋点跡地):船橋市公式ホームページ

コメント

タイトルとURLをコピーしました