2021年7月13日 船橋市議会 本会議
○議長(渡辺賢次) 松崎さち議員。(拍手)
[松崎さち議員登壇]
◆松崎さち 議員 日本共産党の松崎さちです。
気候変動対策についてからお伺いいたします。今年度、船橋市が2050年温室効果ガス排出ゼロ──ゼロ・カーボンという目標を掲げたことは大変よかったと考えております。ただ、この間、2030年度の削減目標が26%というのは低いと、市内の環境活動家の若者、そして市民の方々からご指摘が相次いでおります。私も同感ですし、引き上げるべきだと考えます。
温暖化の影響は猛暑や台風、豪雨のことを私申し上げてきましたが、ほかにも、例えばグリーンランドの氷床が全部溶けると、7メートル海面が上昇すると、科学者が指摘していることはご存じだと思います。
アメリカのニュージャージー州に本部を置くクライメート・セントラルっていう科学者団体があります。ここはホームページで、気温の上昇が2度もしくは4度の場合、世界各地で海面がどうなるのか、これを示してくれています。サージング・シー・マッピング・チョイシーズ(Surging Seas: Mapping Choices)というツールなんですけれども、誰でも見れます。
船橋市を見て、私は大変驚きました。4度気温が上がりますと、この市役所、西船橋駅、南船橋駅、海老川上流地区の大半は365日冠水いたします。また、気温上昇が2度の場合、市役所は冠水を免れますけれども、国道14号の一部、それから南側、南船橋駅周辺、まさに児童相談所が建つ辺り、海老川上流地区の新駅の予定地の周辺は、やっぱり毎日冠水するとあります。
もちろん、それらの場所だけが被害を受けるんではありません。昨年末の国連環境計画の報告では、各国の排出削減目標は、今のままでは21世紀中に気温上昇は3.2度になるということでした。
市長、今後何十年か先の本市を考え、メディカルタウン構想を進めるとおっしゃっております。私たちは中止すべきだと考えておりますけど、どちらにしたって、気候変動対策が進まなければ、80年後は全域が水浸しです。堤防という手段がありますけれども、コストがかかりますし、決壊のリスクも残ります。
高潮、それから晴れた日の洪水という問題もあります。今アメリカのフロリダ州では晴れていても道路が冠水するっていう現象が頻繁に起きているそうです。私はこれを知って大変衝撃を受けましたし、今行政に携わっている人々の責任が、私も含め大変重いと感じましたけれども、こうした科学者の警告を市長はどのように受け止めますか。真摯に受け止めるべきだと思いますけれども、ご見解を伺います。
そもそも、2030年度、26%削減、これはもともと国の目標値でした。しかし、国はこの4月、46%にすると表明をいたしました。しかし、これも国連が世界平均で示した45%の目標に1%上乗せしたにすぎません。EUは55%、アメリカは50〜52%の目標を持ち、日本の若者は6割を求めております。
市長は26%が低過ぎるというご認識はありますか。京都市、品川区、江戸川区は既に40%を掲げております。私たちは5割にすべきだと考えますけども、市長のご見解を伺います。
続いて、ジェンダー問題──生理の貧困と女性幹部の割合についてお伺いいたします。
私も中学生がトイレットペーパーで代用しているっていう話を伺いました。特に公共施設、全学校の女子トイレ、多目的トイレに生理用品を置くべきです。教育委員会や市長はこの生理の貧困をそもそも人権、個人の尊厳に関わる問題だというふうにご認識されているんでしょうか。お答えください。それと、校長会や養護教諭会で、今後検討するっていうことでしたけども、一体いつまでに結論を出されるんでしょうか。また、現場に提案する際、人権問題であり、学習環境を整えるために必要だとイニシアチブを発揮すべきだと考えますけれども、ご見解を伺います。
女性幹部の割合について伺います。昨年度から課長級の女性割合が2.35ポイント伸びたことは評価しますが、全国平均は18%、著しく低いままです。以前、本市は庁内アンケートで幹部になりたがらない女性職員が多いと指摘されてました。しかし、部長級、課長級のうち、女性はたったの1割、マイノリティーになりたくないと考える人が多いのは当然ではないでしょうか。
私は、男性職員をできるだけ長時間働かせて、家事や育児は女性の役割という分担を押しつけて、コストカットを極限まで進めてきた歴代の市政の責任が大変重いと考えております。SDGsが話題に上がっていますけど、ターゲットの1つに、「政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する」とあります。
SDGsは環境問題だけではありません。ジェンダーに関する提言を真摯に受け止めるべきではないでしょうか。管理職を増やすべきだと思いますけれども、市長のご見解を伺います。
最後に、生活保護や低所得者対策です。そのSDGsのゴールの1は「貧困をなくそう」ですけど、本市にも、そして国のSDGsに関する様々なものにも出てきません。生活支援課の調査では生活保護を利用する5,690世帯のうち360世帯はエアコンを持っていないとあります。コロナ禍で外出自粛が要請され、この猛暑、エアコンは死活問題です。
名古屋市は65歳以上で生活保護利用や市民税非課税など一定の世帯で、しかも1台も所有していないという方に上限7万1000円のエアコン代を助成しています。予算1億650万円、本市の規模なら3000万円程度です。本市でも実施すべきと考えますけれども、ご見解を伺って、1問といたします。
[環境部長登壇]
◎環境部長(御園生剛志) 市長にということですが、所管ですので、気候変動に関連した温暖化対策の実行計画、この点について私のほうからご回答させていただきます。
まず、温暖化対策実行計画の中間目標の目標設定が低過ぎるんではないかというお話がございましたが、国につきましては、この令和3年5月に温暖化対策推進法を、2050年まで脱炭素社会の実現を基本理念として位置づけ、地方創生につながる再エネ導入の促進、企業の温室効果ガス排出量のオープンデータ化などを盛り込み、一部改正がされたところでございます。
そうした中、国として進めるべき炭素税、あるいは国内排出量取引制度、こういった導入や自動車燃料の脱炭素化、あるいは太陽光、風力等の再生可能エネルギーの普及についての電力の炭素化、ちなみに電力につきましては、直近出ている2019年の電源構成では再生可能エネルギーが18%、化石燃料はいまだ76%、原子力が6%という構成になってございます。この再生可能エネルギーをいかに増やして普及していくのか、こうした国として取るべき方向性が今議論の中で進められているというように認識しております。
今後、国において地球温暖化対策の計画、この見直しも含めた審議が進められておりますことから、今後、見直しされた際に、そういった方向性を加味した中で、本市として削減目標を改めて見直しを検討したいと考えております。
以上でございます。
[学校教育部長登壇]
◎学校教育部長(礒野護) ジェンダー問題についてのご質問で、所管事項についてお答えさせていただきます。
まず、人権問題に関わってくるというようなご質問だったかと思うんですが、生活苦により生理用品を購入できずに不衛生な状況に置かれ、不安で学校に登校できない児童生徒がいるというようなご指摘があったと思うんですけれども、各学校に配置されておりますスクールカウンセラー、または民生委員の方々から様々な情報を得ながら、そのような児童を含め、様々な問題を抱える児童生徒が登校できない状況を解決できるように努めているところでございます。
生理用品の問題につきましては、先番議員にもお答えさせていただきましたが、今後、対応を検討してまいりたいと考えております。
校長会や養護教諭部会でというふうなお話だったと思うんですけれども、校長研修会や地教研の船橋支会養護部会というものは、月に1回の割合で開催をしております。全員が集まってやる研修会については、夏休み前はもう既に開催しておりますので、全員が集まっての研修は9月になります。ただ、今回の議会で先番議員からも様々なご意見やご指摘を受けているところですので、情報を校長会や養護教諭部会に発信しまして、その検討については進めていきたいというふうに考えています。
その際、イニシアチブを発揮し、教育委員会から積極的にというお話もあったと思うんですが、やはり様々、今回ご意見やご指摘をいただきましたので、そのようなことを情報発信しながら検討を進めていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
[総務部長登壇]
◎総務部長(海老根勝) ジェンダー問題のうち女性管理職の部分について、市長へとのことでございましたが、所管でございますので私からご答弁させていただきます。
議員ご指摘のとおり、SDGs、これは環境問題だけではなく、目標の5にジェンダーがございまして、その中のグローバル指標として管理職の割合、こちらがうたわれているというふうに認識してるところでございます。
ご指摘のとおり、船橋市としまして、まだまだ女性管理職の割合が市町村平均より低いわけでございますけれども、これは以前にもご答弁させていただきましたが、一遍にこれを解決することはなかなか難しく、徐々にではございますけれども、平成31年4月1日の時点で18.5%であったものが、令和2年、こちらは19.9%、令和3年4月には20.4%と、徐々に上昇しているところでございます。
このために、一気に解決できない中で、今後、課長職、あるいは部長職というふうに女性を登用していく中で、大事なのがその手前にある係長職、補佐級の職員というのを順次登用していくことが大事だということも、これも以前ご答弁させていただいたところでございますけれども、ここにつきましては、各市町村平均を船橋市が上回ってる状況でございまして、今後、繰り返しの答弁になりますけれども、男女の差なく職員をそれぞれ能力に合わせて登用していく中で、将来に向けて、このSDGsに掲げる目標値に近づけていくというふうにしていきたいというふうに考えているところでございます。
以上でございます。
[福祉サービス部長登壇]
◎福祉サービス部長(岩澤早苗) 生活保護、低所得者対策について、エアコンの……本市でも実施すべきっていうところでご答弁いたします。
冷房器具──エアコンの購入に必要な費用の支給につきましては、生活保護開始時もしくは転居の際、前住居には設置されていて、転居先に設置されていない場合には一時扶助費として支給されるもので、近年の熱中症による健康被害が多発していることを踏まえて、平成30年4月1日以降に生活保護を認定された世帯に対して認められたものでございます。
議員ご指摘の対象外となる世帯につきまして、平成30年4月1日以前から生活保護を受給している世帯となりますけれども、この世帯でエアコンを購入する場合には、生活費の中からのやりくりにより賄っていただくこととなっております。なお、緊急に必要な場合でまとまった資金のない場合におきましては、船橋市の社会福祉協議会で行っております貸付制度をご案内しているところでございます。
このようなことから、先ほど、名古屋市の例も出していただいたところでございますけれども、名古屋市の例は生活保護世帯だけではないと認識しているところでございますが、本市といたしましては、市の単独事業として生活保護世帯へのエアコンの支給助成を実施するという考えはないというところでございます。
しかしながら、熱中症による生命の危険が心配されることから、エアコンの購入費の支給対象外の世帯にも支給できるように、国に要望してまいりたいとは考えております。また、転居の際にはエアコン備付けの住居を探すようにアドバイスをしているところでございます。
以上でございます。
[松崎さち議員登壇]
◆松崎さち 議員 エアコンのほうから先に申し上げますけれども、生活費をやりくりして買うことになってる、借金して買えるってことなんですが、独り暮らしの高齢者の生活保護の方は月7万円で暮らしてるわけです。(予定時間終了2分前の合図)最低生活費を切り詰めるということになりますので、そこをきちっと考えていただきたいと思います。
気候変動なんですけれども、30代の市内の若者が、ドイツは自治体がリードして変わっていったと言っております。若者の声を受け止めていただきたいというふうに思います。
具体的にちょっと申し上げますが、本市の温対計画では、市民に電力の再エネの切替えを求めております。しかし、船橋市こそ、大規模事業者として地域の模範としていち早く実行すべきです。本市の公共施設の電力は裾切り方式の一般競争入札で契約先を決めていますが、結局、安いところに決まってます。東京都のように独自の総合評価落札方式に変え、再エネ100%に切り替えるべきではないでしょうか。また、板橋区では区役所のほか、全小中学校の電気供給をCO2排出ゼロの電気に切り替えました。
環境部と企画財政部で連携して、先進自治体の取組を調査、把握すべきではないでしょうか。ご答弁ください。
ロンドンでは住宅や建築物の対策が筆頭に上がります。一度造れば何十年も影響が固定される建築物のエネルギー対策は喫緊の課題です。
3月の環境分科会で、環境政策課長は住宅の太陽光発電などの補助制度の上乗せも必要かなと考えているとご答弁なさいました。2030年はもうすぐです。ご検討の状況はいかがなんでしょうか。すぐにでも実施すべきではないでしょうか。
また、省エネと断熱性の向上、再エネでエネルギー消費をゼロにするネット・ゼロ・エネルギー住宅、いわゆるZEHに千葉市は補助金を出しております。本市もやるべきと思いますが、ご見解を伺います。
温対計画では公共施設の新設や大規模改修の場合、ネット・ゼロ・エネルギー・ビル、今のZEHのビル版が……(予定時間終了の合図)あっ、残念。はい、以上です。
[環境部長登壇]
◎環境部長(御園生剛志) 気候変動対策の2問目にお答えいたします。
幾つかお話がございましたが、まず初めに、東京都では実施されているという環境配慮契約について、裾切り方式を変更したほうがいいんじゃないかというご質問があったかと思います。
本市におきましては、議員のほうからお話しいただいたとおり、令和元年度よりいわゆる環境配慮契約法に基づいて環境と経済の両立をさせるため、二酸化炭素排出係数あるいは再生可能エネルギーの導入状況など、環境への配慮項目を評価項目として基準値を満たした入札参加者の中から価格に基づき落札者を決定する、いわゆる裾切り方式としております。
議員からお話のありました総合評価方式については、東京都については、すいません、一部、試験的に行われているというように私のほうでは認識しておりますが、現時点では国のほうからは裾切り方式を示された中では難しいと考えますが、現状での評価項目あるいは二酸化炭素排出係数、再生可能エネルギー導入比率、これにつきましては、他の自治体での導入事例等を参考にしまして研究するとともに、本市での公共施設の使用電力の脱炭素化に取り組んでまいりたいと考えております。
それと、千葉市で導入されているZEH、いわゆるネット・ゼロ・エネルギー・ハウスに対する補助制度についてのお話がございました。このZEHの普及につきましては、まず外壁の断熱性を向上させ、効率的な設備システムの導入によって、室内環境の質を維持しつつ、省エネへの実現と再生可能エネルギー導入によって、年間の一次エネルギーの収支をゼロにするということを目的とする住宅でございます。
こうしたことから市内の戸建て住宅に対する温暖化対策としては推進すべきというふうに考えております。しかしながら、これに対しての市独自制度につきましては、ZEHに対する国の補助制度もあることから、現時点におきましては制度化としては考えておりません。既に導入している千葉市の補助効果あるいは近隣市の状況などを注視したいと考えております。
それとZEBに関してでございますが、ZEBに関しましては、先ほどのネット・ゼロ・エネルギー・ハウスのZEHについては、かなりもう導入事例も多く、建設会社あるいは設計会社のほうで登録を行っていて、建て売り住宅なんかでも導入がかなり進んでいるというふうに思いますが、ZEBにつきましては、やはりこのビル、建物の部分で、県内での導入事例もまだ少なく、全国も含めて公共施設の導入がそれほど進んでいる状況ではございません。
今後、照明、給湯、換気、空調、昇降機、OA機器等のエネルギー消費を抑制して、太陽光発電等の再生可能エネルギー設備の設置によって、脱炭素化に貢献できる施設を目指すものでございますが、そういった他市の検証事例が今後積み上がっていくと思いますので、そういったものを参考にしながら研究してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(渡辺賢次) 以上で、本日の一般質問は終わりました。