中山地区の防災事情を市から聞き取りました

防災・減災

25日、船橋市役所で、中山地区(本中山、二子町)の「災害予測と傾向について」、市長公室危機管理課•計画班長の田中天さんから、お話を伺いました。

日本共産党が毎年行う市民アンケートなどでは、「ハザードマップでは震災時、中山地区の全域が液状化すると予測されている。大変不安だ」「本中山3〜7丁目だけでも人口は1万人超だが、市の避難所は小栗原小学校と西部公民館だけで大丈夫か」「津波で真間川が溢れないか心配」などの声が出されていました。これを受けて、日本共産党の金沢和子市議に設定してもらい、実現したものです。

党中山支部と後援会の皆さんと一緒に、2時間の講義を受けました。

IMG_8724

(写真)プロジェクターを使って説明する田中さん

最初に田中さんらのチームが作った、中山地区の「地区別防災カルテ」が参加者に配られました。東日本大震災前から作っていたもので、結果的には震災時、役に立ったとのことです。

その後、歴史的にみる首都直下地震の可能性、その規模、中山地区の特性、震度や液状化、建物や津波の被害予測、近年の風水害の傾向、防災の体制、備蓄、地域で市が求める取り組みなどについて語られました。

IMG_8718

私たちが今回聞きたかった上記の3点(①液状化への見解、②避難所は足りるのか、③津波の被害予測)と、防災ラジオのことについては、質疑の中で更に尋ねることができました。

①中山地区の液状化について

田中さんによると「この地区は交通の要所(京葉道路、産業道路、東西線、総武線が集中している)で、東西線を作る前は沼地だった場所。昔は田んぼのあぜ道を長靴で皆歩いていた」とのこと。つまり土壌の水分が多いので、大地震では、ほぼ液状化すると予測できるそうです。後援会の方が「減災の考えはあるのか」と尋ねると、「根本的な(解決に至る)工法がない。国交省などと相談しているが、なかなか難しい」とのことでした。

また、市南部の若松団地などでは、液状化が起こることを前提に、対策が取られていることが紹介されました。液状化でトイレの配管が使えなくなったときの対策、ドアが開かなくなったときに子どもや高齢者でも開けられるようにする機械を用意しておくなど、備えが必要だとの話がありました。

②避難所は足りているのか

田中さんによると、「過去災害の統計から、避難生活者数は『最大で人口の1割程度』とされ」る、「中山地区の人口は1万8千人程なので約1800人が避難所生活すると予想され」るとのことです。

(市が想定する小栗原小学校の屋内収容人員は2521人、西部公民館は847人。いずれも発災直後のもの。3週間目以降は小栗原小学校900人、西部公民館302人)

また、避難所生活は被災者にとって想像以上のストレスを強いられるものであり、自治体は応急仮設住宅などプライバシーの守れる施設をかき集めるほうがよいとのことでした。

さらに「避難所は物資や情報、医療、人などの集まるステーションにして、自宅を最高の避難所とするのをすすめる。そのために家具の転倒防止なども必要。もちろん、避難所で受け入れざるを得ない人は受け入れる」とのことでした。

そうなると、費用がなくて自宅の耐震化ができない人たちに対しては、行政の援助が必要ではないかと思いました。

③津波の被害予測

過去最大の地震と同じ規模のものが起きても、中山地区までは津波は来ないだろうとのことでした。東京湾と三陸沖では海の深さが全く違い、東京湾の水量からいって、波は真間川を遡上しきれないとのことです。なるほどと思いました。尚、1703年の元禄関東地震タイプの地震(M8.5)では、津波の最高水位は3mだったそうです。船橋市も、海老川沿いや市の南部では、浸水被害が予測されています。市のホームページでは、ハザードマップや防災カルテが公開されています。

④「防災無線が聞こえない」実態があることについて

「これは申し訳ない。都市化が原因」とのことでした。現在、「市内では172カ所の屋外スピーカーから警報などの緊急放送を流し」ているとのことですが、度々「聞こえない」という意見が私たちにも寄せられます。また、市によると①小中学校や福祉施設等には個別受信機260台を配備、②市内の町会、自治会には100世帯に1台の割合で防災ラジオを配布しているとの話でした。

参加した後援会の方から「防災ラジオが町会の100世帯に1台では足りなすぎる。配布基準を見直せないか」と要望した所、「少しずつ進んでいて、土砂災害対象区域には配ることになった」との回答でした。引き続き改善を求めたいと思います。

また、防災無線の放送内容はフリーダイヤル(0120−2784−61)や、「ふなばし安全安心メール」などでも知ることができるとのことでした。

今回、印象的だったのは、下総中山駅北側から京成線までの地域は、密集地で建物も古いものが多く、震災時は延焼の危険も高いので、耐震化を地域で進めていく必要がある、という点でした。

また最近は、ゲリラ豪雨による冠水が増えていて、中山地区では特に産業道路付近で被害が多いそうです。市は「川や冠水多発地点に監視カメラを設置し、危機管理課などが住民への避難勧告のために視聴できるようにしている」とのことでした。

もう一つ、市民アンケートで要望があった「小栗原小学校の北側のブロック塀を、地震でも崩れないような安全なものに変えられないか」というものについては、後日、文書で担当課から回答を頂けることになりました。

皆さんもご心配なこと、ご意見、ご要望などありましたら、お気軽にお寄せください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました