だいぶ前ですが11月20日、タイトルの件について船橋市から説明を受けました。
今年2月に閉店した西武船橋店ですが、船橋市は地権者側からそこの跡地に48階建て・地上150mの大規模タワーマンション(1階〜3階は商業施設)を建てること、その5階に市民文化ホールを移転すること、現在の市民文化ホールと中央公民館の敷地は50億円で買い取ることを提案されていると言います。また固定資産税が高額なため、「早めに結論を出して欲しい」と言われているとのことです。
実現すれば市内最高のタワーマンションになりますが、これを可能にするのが容積率の緩和で、通常であれば容積率600%のところ、船橋市の決定で1000〜1100%にすることが提案されているとのことです。
協議相手は株式会社セブン&アイ・クリエイトリンクという不動産業や商業施設等の開発を行う企業で、地権者は株式会社そごう・西武です。両社ともセブン&アイ・ホールディングスの100%子会社です。
現文化ホールと併設されている中央公民館については、その敷地の新たな建設物に入れることも提案されていると言います。
文化ホールの費用ですが、まず新文化ホールの建設費70億円は民間事業者(セブン&アイとは別の不動産業者)が負担し、ホールは民間事業者のものとなります。船橋市はホールの内装費30億円と敷金20億円を払い、毎年約3億3千万円のリース料を30年間、ホールの所有者に払います(10年ごとに金利改定あり)。その間の市民ホール専有部の維持管理・修繕費用は、別途船橋市が負担することが想定されています。
そして30年後、ホールの残存価格20億円を市がホール所有者に払う(事前に払っている敷金20億円と相殺可能)ことで、ホールの所有権が船橋市に移ります。
初期費用が内装費30億円+敷金20億円=50億円で、そこにリース料3億3360万円×30年間=100億800万円を足して、合計150億800万円です。ただし維持管理・修繕費を除いている、10年ごとの金利改定がある、全ての計算に消費税を入れていないことから、お金はもっとかかります。
新中央公民館についても同じリース方式での建設をセブン&アイ側から提案されているとのことです。
船橋市の説明では、「現在の市民文化ホールと中央公民館は現在築41年で、大規模改修に30億円かかるし、その際には3年間くらい市民が利用できなくなる。また改修しても25〜30年後くらいに建て替えが必要で、多額の費用(仮に平米単価50万円とすると、50万円×1万㎡=50億円)がかかるし、その建て替え中もホールが使えなくなる」「セブン&アイからの提案に乗れば、現在のホール敷地を売って50億円の収入を得られる」とのことですが、様々な問題点があるのではないでしょうか。
まず文化ホールの規模は大きく変わりません。今の座席数は1000ですが、移転後は多くて1200です。
またタワーマンションは大規模修繕費や維持管理費が普通のマンションより高額だと言われます。通常は専有部の面積によって負担割合が決められますので、市の負担が大きくなる可能性が高いです。それと市はタワーマンションの区分所有者となりますので、市の判断だけでは将来の大規模修繕や建て替えはできなくなります。
さらに土地と比べてビルは30年後、価値が下落することは避けられません。ただでさえ本町地域は土地の確保がしづらい地域なのですが、市民の財産である市有地を簡単に売り払って良いのでしょうか。新ホールでも区分所有で土地は取得できるという意見もありますが、48階建てタワーマンションですから、市が取得する土地面積はわずかなものでしかありません。
この他にも、
「市民文化ホールの使用料が上がるのではないか」
「タワーマンションは大地震時など、防災上は危険ではないか」
など地元の皆さんから懸念の声が出されています。
この問題については12月3日の市議会で市民共生の会・つまがり俊明議員が、「将来財政推計では市の財政が厳しいとしている一方で、毎年3億円のリース料は過大な財政負担ではないか」「市有地売却が前提であり、市に残るのは老朽化したビルと区分所有だ。色々とやりすぎではないか」と指摘していました。
また同会派の朝倉幹晴議員が4日の議会で、「人口増で学校不足が生じるのではなどと、市民から懸念が出されている。市民との話し合いが必要ではないか」と質問したところ、船橋市は「地権者側から回答期限は示されていないが、数年はかけられない。市民への広報は決定後に行う」と答えました。
非常に大きな話で、決まってから広報するようなことなのかと疑問です。皆さんはこの問題をどう思われますか。ぜひ、ご意見やご感想をお寄せください。
以下は船橋市から議員に配られた資料の一部です。
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