船橋市が中小企業者等への最大20万円の家賃補助、ドライブスルー方式のPCR検査外来開設などを含んだ補正予算12億円を決定

昨日、市長が記者会見を行い発表しました。議員に配られた資料のPDFをアップしますので、ご覧ください。

対策にはPCR検査拡充や医療機関支援、中小業者への家賃補助や臨時相談窓口設置などが入り、良かったです。同時にさらなる支援拡大を求めていきます。

船橋市緊急対策パッケージ(最終版)のサムネイル

★職員体制の整備のサムネイル

資料に書かれている対策の中身は以下の通りです。

【感染症拡大防止のための医療提供体制の整備、充実】

  • ドライブスルー方式のPCR検査外来の設置(1日約12件程度の検査数増を見込む。今後も拡充予定)3,040万円
  • 夜間、休日に帰国者・接触者外来を実施している医療機関に対する支援 3,280万円
  • 患者受け入れ病床の確保のための環境整備 6,000万円
  • ほかPCR検査試薬などの購入

【安心・安全な生活を守るための支援】

  • 住居確保給付金の拡大(国の事業)4,710万円
  • 妊婦に布製マスクを配布(国の事業)520万円
  • 緊急事態宣言に伴う臨時休校時などに、通信環境の整っていない児童、生徒のいる家庭に対し、学習ドリルソフト等の活用ができるよう、タブレットの貸し出し及び通信環境の整備。貸与台数1,780台。(中学3年生を優先的に貸与予定) 1億1,150万円

【市内経済維持のための事業者支援】

  • 中小企業者等への賃料助成(市内で店舗を貸借して事業を行っている中小企業・個人事業主が対象。要件:2月以降の任意の1月の売上げが、前年同月比で3分の1以上減少している、もしくは減少する見込みの事業者。助成額:1事業者につき月額賃料の3分の2を助成。上限額は一月あたり10万円。対象月は4月と5月) 6億7,000万円
  • 事業者向け助成金等の臨時相談窓口設置(1日10枠、週5日程度の予約枠を確保。対面による個別相談。対象は助成金等の申請を検討している事業者。対応は社会保険労務士、中小企業診断士。5〜6月)1,220万円

【その他】

  • 感染者移動支援車の確保(搬送時の感染リスク軽減)。感染者が増加した場合の運搬体制の強化に努める。本田技研工業(株)から無償提供の1台、市の車両3台
  • 市職員の臨時任用(新型コロナの影響で内定を取り消された方、離職を余儀なくされた方などを対象に、30人程度、市の会計年度任用職員として今年度に採用)
  • 各種申請に係る証明手数料の免除(市民や市内事業者が融資や貸付を受ける際に必要となる住民票等の証明書発行手数料を無料にする。住民票の写し、印鑑登録証明書、課税(非課税)証明書、納税証明書など)
  • 税の支払い猶予などに伴う行政サービスの制限解除(税の支払い猶予を行っても通常は滞納扱いとなり、一部行政サービスが制限されるが、この制限を解除する取り扱いをする)

 

このほか、今後の取り組みとして「軽症、無症状者のための宿泊施設の確保」を近日中に船橋市医師会と合同で発表するとのことです。

なお感染した患者を受け入れる医療機関や中小業者への支援は、現状を考えると拡充が必要だと思います。

補正予算では新型コロナの患者さんを受け入れる医療機関の病床確保支援額は6,000万円ですが、例えばある病院は受け入れ準備のためにベッドを空けるなどで、1月あたり1億円以上が必要と言います。市内には受け入れ病院が複数あり、6,000万円では病院の大出血は止められません。

また中小業者の家賃は、繁華街なら月100万円超というところも存在します。船橋市の家賃補助は前年同月比で3分の1以上売上が減少した業者に限り最大20万円を支給しますが、鎌倉市は前年同月比で5%減なら最大100万円、福岡市は最大50万円を支給します。

さらに市内では賃貸ではなく、事業所を自ら所有している事業者でも「売上げが月200万〜250万円以上落ちた」などと大打撃を受けています。コロナ収束の見通しが立たない中、前代未聞の苦境にある中小企業者に対し、行政のさらなる支援が急がれます。

最大の責任は自粛を求めた国にあります。自治体の財政力は地域間格差があり、全国どこでも充分な補償をするには国の財政措置が不可欠です。しかし現時点の国の新型コロナ緊急経済対策は不十分です。政府は1兆円の「地方創生臨時交付金」が休業事業者への協力金に使えると言いますが、全国知事会は「厳しい」と増額を求めています。日本共産党の倉林明子参院議員は4月16日、せめて2倍に増やすべきだと主張し、自民党の馬場成志議員も増額を要求しました。

さらに全国商工新聞(4月20日付)は次のように指摘しました。

「(政府の)対策に盛り込まれたフリーランス・中小業者向けの「持続化給付金」…は1回限りで、損失補償としてはあまりにも少なすぎます。複雑な条件によって、給付される人とされない人が生まれ、『分断』が持ち込まれることも重大です。

税金や社会保険料の納付を1年間猶予することも盛り込まれましたが、免除規定がなく、来年には2年分の納付が迫られます。こんな対策で中小業者を救うことはできません。」

この新聞発行元の全国商工団体連合会(全商連)は8日、内閣府に「持続化給付金の継続」「持続化補助金、ものづくり補助金の上限と補助率引き上げ」「売上げが6ヶ月で対前年比30%以上減少した場合の税金と延滞税の免除」「店子の家賃を減額した貸店舗所有者への減税や資金繰り支援」「労働保険の確定申告期限延長」「消費税減税」「生活支援臨時給付金は1人10万円として無条件で速やかに支給(実現しそうです。ただ世帯主への一括給付ではなく一人一人に給付すべきです)」などを要望しました。

これらはぜひ実現して欲しいですし、安倍政権は今すぐ軍事費(防衛費)を削ってでも実現に向けて尽力すべきです。しかし政府の動きが遅く、機能不全に陥っているなか、自治体が最後の砦として中小業者をしっかり支えなければ、倒産・廃業・失業が相次いでしまいます。

千葉県に対してもそうですが、引き続き船橋市に対し、メディカルタウン構想など不要不急の大型開発優先の姿勢を改め、医療機関や中小業者などに対する支援を拡大し、コロナ収束後に人々が元気に立ち上がれる政治の実現を求めていきたいと思います。

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