日本共産党船橋市議団は7月15日、物価高対策、生活困窮者対策として、船橋市に電気やガス料金など水道光熱費の負担軽減を実施するよう求めました。要望書は杉田副市長に手渡し、15分ほど懇談しました。
▲要望書です
この間の物価高は食料品やエネルギーなど生活必需品ほど顕著になっており、特に低所得者の方々の暮らしを脅かしています。「電気代が心配だからエアコンをつけない」という方さえいらっしゃいますが、今年は例年以上の猛暑が予測され、エアコン使用の躊躇は命に関わる問題です。
船橋市は6月議会で物価高対策として、①政府による子育て世帯生活支援特別給付金、②市独自に学校・保育施設・幼稚園の給食費を1食あたり10円上乗せ、②市独自にバス・タクシー事業者への支援金交付、公共交通不便地域解消事業にとりくむバス運行業者への奨励金の交付、といった補正予算を提案し、全会一致で可決されました。
しかし支援内容としては不十分です。①は子ども一人あたり5万円支給されますが、低所得世帯に限られるため、対象年齢の子どものうち10人に1人しか対象になりません。
②は物価上昇率3%として「1食あたり10円上乗せ」としましたが、総務省が発表した5月分の消費者物価指数によると、生鮮野菜・魚介・果物は1割以上、水道光熱費も2割前後上昇しています。介護施設や障害者施設の給食費の補填は対象外です。
飲食店や建設業など、経営が厳しくなっている中小業者への対策、子育て世帯以外の生活困窮者への支援もありませんでした。
船橋市は国から交付された、コロナや物価高対策にほぼ自由に使える「地方創生臨時交付金」を16億8200万円使い残しています。この交付金に関する予算決算委員会での質疑で、日本共産党の岩井友子市議は「せめて値上がり分として一世帯5千円程度の電気代補助を」と提案しましたが、船橋市は「交付金の使途については何が必要かを検討し、9月議会で補正予算を提案する」という回答に留まりました。
しかし9月議会の閉会は10月4日、それから実施となると対象者に届くのは少なくとも11月、12月と言った具合に遅くなります。8月29日の開会後すぐに先決したとしても、支援が届くのは10月以降になるのではないでしょうか。せめて低所得者の方が今夏の厳しさを乗り切れるよう、迅速な対策実施が求められます。
また7月4日付しんぶん赤旗によると、厚生労働省は7月1日、地方創生臨時交付金について「自治体が福祉増進のために支給する場合、8000円までは自治体の判断で生活保護費に上乗せして支給できる。8000円を超えて支給する場合も、国に趣旨を説明した上で可能」だと見解を示しました。生活保護利用者への支給は8000円までは収入認定されないし、それ以上の支給も可能だというのです。
杉田副市長は共産党市議団の申し入れに対し、「(成田市や札幌市など)他市でやっていることは研究している。今夏の厳しさに対して迅速な対応がいるというのは、確かに。別途、企画財政部と調整したい」「今年は冬が厳しくなりそうだ。燃料代の高騰もありうる。国が抜本的に対策をとってもらわないと追いつかない」と答えました。
国の対策はもちろん必須ですが、それはそれとして、船橋市も財政調整基金(自由に使えるため込み金)を別途100億円以上保有しています。災害時などのための基金ですが、非常時には活用も視野に入れるべきではないでしょうか。人々の生活を守る市政の実現へと、引き続きとりくんで行きます。
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