12月21日に議会が閉会しましたが、今回は海老川下流部(本町5丁目)で保育所を運営する事業者の方から、「上流部の開発で水害の危険性が高まるのではないか。下流部の住民を対象にした説明会を実施して欲しい」という陳情が出されました。
海老川下流部は歴史的に水害に悩まされてきた地域です。長津川調節池の完成以来、甚大な被害はありませんが、上流部で開発が進むことや気候変動の影響が心配されます。
9日の建設委員会で陳情を提出された方を参考人としてお招きし、質疑をしました。下記に速記録を掲載しますので、ぜひご覧ください。議会のホームページから録画もご覧いただけます。
21日の本会議でこの陳情について採決が行われ、27対22の反対多数で不採択となりました。日本共産党は賛成しました。
住民説明会を求めるだけの陳情なのに、反対多数というのは残念です。知る権利の確保に背を向ける自民党や公明党など、議会の多数派の冷たい姿勢が現れているのではないでしょうか。
▲建設委員会の速記録
▲陳情の写しです
陳情に対する、私の賛成討論の原稿は以下の通りです。
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賛成の立場で討論を行います。
願意の1は「区画整理で下流部の水害リスクが高まるのではないか」、その懸念への対策に関する説明会の開催、願意2は海老川調節池の計画の現状と展望についての説明会の開催で、どちらももっともな要求です。
海老川は市内のほぼ全域の川が合流する二級河川で、今のところ1時間30ミリの雨量にしか対応していません。
船橋市では1時間あたり30ミリを超える雨の回数が、1981年からの10年間では5回のところ、2011年からの10年間では10回と倍に増えています。2019年の台風15号では氾濫寸前までの雨量となりました。気候変動の影響で台風の大型化や、豪雨の頻度や規模が拡大することは避けられず、下流部の住民や事業者が不安を抱くのは当然です。
また千葉県の都市計画のマスタープランでは「海老川沿いの水田は、これらの区域が市街化した場合、溢水や湛水の災害発生が予想され、かつ、下流の規制市街地への影響も著しいものがある」と指摘されており、「これらの区域については、広域河川事業等の治水対策との整合性を図りつつ、計画的な開発以外極力保全に努める」と記載されています。
にも関わらず、海老川調節池の完成の見通しがないまま上流部に駅が造られ宅地開発が勧められるというのは、無責任の極みです。駅の設置はさらなる市街化を引き起こす梃子にもなります。
一体どうなっているのか、今後どうしていくのか、県や市が迅速に住民説明会を行うのは当然です。
なおこの区画整理は過去2回頓挫していて、今の市長がメディカルタウン構想を打ち上げ、市負担での駅の設置、医療センターの移設という仕掛けを作らなかったら進まなかった事業です。民間の区画整理だからといって船橋市が説明責任を免れる道理はありません。
よって本陳情の採択に賛成します。
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