22日夜、市川市八幡の全日警ホールで開かれた表題の講演を聞きに行ってきました。(講演の主催:「いのちと性の自己決定をサポートする「あいのち」、後援:市川市教育委員会(申請中)、ワーカーズコープちば企業組合 労協船橋事業団)
講師は、広島市民法律事務所所長の楾大樹(はんどうたいき)弁護士でした。著書の「檻の中のライオン」は中学校向け副教材に掲載されたり、小学校の授業でも使われています。憲法を檻、権力をライオンに例えて、権力の暴走を抑えて拘束するためにあるのが憲法だということを、かわいいイラストを使って非常に分かりやすく教えてくれました。
会場は満杯で、お子さん連れの方やお若い方が多かったです。
船橋市の池沢みちよ議員、津曲俊明議員、八千代市の堀口明子議員、市川市の清水みな子議員、日本共産党千葉県副委員長の浅野ふみ子さんも来ていました。
三権分立について説明する楾大樹弁護士。着ているTシャツには憲法12条「不断の努力」をモチーフにしたイラストが描かれています。
講演は憲法の全体像と時事問題で構成されていて、天賦人権論、立憲主義、国民主権、民主主義などの他、檻で何を守るか(平和主義、自由権、社会権)、檻をライオンに壊されないための様々な仕組み、安保法制や特定秘密保護法、官邸の言いなりになる内閣法制局長官への首の挿げ替えなど安倍政権の危険な動き、即位の礼についてなど多岐にわたる内容が語られました。
会場で売られていた楾弁護士の著書です。ご本人のサインを頂きました。
講演で非常に印象深かったのが現在の小学校の社会の教科書の内容です。東京書籍と文教出版のものが紹介されましたが、憲法を守る主体が権力者ではなく「私たち」=国民に置き換えられて紹介されています。教科書は文科省の検定を経ていますので、文科省がこの内容に認可を出したということです。私もこのことは何となく聞き齧っていましたが、楾弁護士のお話を聞いた上でこの事実を示されると、改めて異常さが浮き彫りになっていると思いました。さらに教科書で権力分散システムである三権分立について単に「役割分担」と記述されている実態や、社会権についてばかり紹介され、表現の自由など自由権についての記述がないなど、深刻な事実が話されました。最大の被害者はこの内容で授業を受ける子どもたちです。安倍政権の危険性に改めて気づかされると同時に憤りを感じました。
楾弁護士は、自分の話は右も左もなく誰でも納得できる内容であるはずだと語り、最後に「選挙で今の体制を選んでいるのは国民であり、最も私の話を聞いて欲しいのは今日ここに来ていない人たちです。ぜひ今日の話を広めてほしい。講演にもどんどん行くので呼んで欲しい」と話されました。
企画された皆さん、ありがとうございました。本当に面白い講演ですのでおすすめです。ぜひ機会があったら「檻の中のライオン」を聞きに行ってみてください。
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