今年度の船橋市の新型コロナ対策事業における基金取り崩しは、現時点で約13億円に(9月の補正予算まで)

市議会

9月議会では、新型コロナ対策に大きな費用がかかり、今後の税収も大きく落ち込むことが予想されるので、多くの財源が必要になるという議論が行われています。間違ってはいませんが、不安を無闇に煽って市民のみなさんに我慢を強いるものになっていないのか、冷静に見る必要があると思います。

船橋市は9月の補正予算までで、新型コロナ対策のために約49億円の一般財源(市が何にでも使えるお金)を予算化しています。9月9日の本会議でも、船橋市の企画財政部長が真政会の議員の質問に対する答弁でこの点を強調しています。

しかしこの49億円(正確には49億1676万5千円)には、国が3兆円の予算をつけた「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」が充てられます。この臨時交付金について、船橋市への配分額は2次交付までで約44億円になりました(1次交付11億円、2次交付33億円)。今後3次交付も予定されており、差引き5億円(=49億円ー44億円)は臨時交付金が充てられる可能性があります。(なお市の財政課によると「3次交付はいつ来るか、まだ分からない」とのことです)

この49億円とは別に、臨時交付金を充当できないコロナ対策事業に一般財源から約8億円予算化していて、それは財源調整基金からの取り崩しで賄われています。

現在のところ、新型コロナ対策のための財源調整基金の取り崩し額は、この8億円と、臨時交付金が充当できるかもしれない5億円とで、合わせて約13億円となっています。

▲市の財政課作成資料「新型コロナ対策事業における財源調整基金の取り崩し」

9月9日の本会議で、真政会の議員が「新型コロナ対策のためにこれまで一般財源を50億円も必要としていること、リーマンショック後の税収が個人市民税と法人市民税について、それぞれの落ち込みの激しい年を合わせると約50億円も減少してしまった年もあった」「来年度以降に特定の財政措置がなく、リーマンショック以上の税収の落ち込みがあった場合には、最悪、市単独で100億円を超えるような一般財源が必要になってしまう可能性もあるのかもしれない。絶対にないとは現時点では言い切れないという印象を持った」「(来年度は)歳出をどれだけ抑える予算編成ができるかということが鍵」という発言を行いました。

これだけを聞くと大変な危機が訪れているかのような印象を持ちますし、地方財政が国の政策によって絞られていることは間違いありません。しかしリーマンショックの時は市の税収が落ちた分、国による財政措置が行われ、船橋市は財源調整基金を徐々に増やしてきました。

今回のコロナ禍のもとでも国や県に必要な財政保障を当然求めていくべきですし、多額の財源が必要なことのみを強調し、住民の感染防止と命を守るために公共の責任を全うできなくても仕方がないかのような主張は容認できないと考えます。

また住民の危機的状況下だからこそ、(さらに増えそうですが)総事業費158億円の海老川上流地区開発のような大型事業に、際限のない公金投入を行う政治姿勢であっていいのかも、改めて問われるのではないでしょうか。

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