12月議会に「痴漢被害への対策を求める(国への)意見書」を提案しました

ブログの更新がすっかり滞ってしまいました。また始めたいと思います。

船橋市議会が11月16日〜12月21日の日程で開かれています。日本共産党はジェンダー問題と米価暴落に関する、国への意見書3件を提案しました。それぞれタイトルは「男女の賃金格差の是正を求める意見書」「痴漢被害への対策を求める意見書」「『過剰米の政府買入れで米価の回復』と『コロナ禍で苦しむ国民に食糧支援』を求める意見書」です。

私は「痴漢被害への対策を求める意見書」の提案者となりました。国会で小池晃参院議員が痴漢問題を取り上げ、岸田首相が「今年度中に実態調査を行う」と答弁したことが話題になってますが、どんどん対策を進めて欲しいと思います。

16日の市議会で意見書の提案説明を行いました。説明原稿は以下の通りです。

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発議案第2号「痴漢被害への対策を求める意見書」について、提案説明をさせていただきます。

なぜ痴漢被害について政治的な対策が必要なのかということは、9月議会で申し上げました。県内でも毎月津田沼駅などで、性暴力の根絶を求めるフラワーデモが行われています。特に痴漢は子どもや未成年への性暴力でもあるということは、重ねて強調したいと思います。

今回、国に行ってほしい具体的な対策を4つ提案しました。

一つは実態調査です。

10月13日の国会で、岸田首相は「今年度、内閣府で痴漢を含めた若年層の性暴力被害の実態調査を行う予定」と初めて答弁しました。大事な答弁ですが、市議会としても要望を出すことで、調査が確実に行われ、質量ともに今後のために十分な水準になることを後押しできればと思います。

対策の二つ目は相談窓口の拡充と周知です。

性暴力被害者が相談できるワンストップ支援センターは、今年2月現在、全国全ての都道府県、52箇所に設置されています。しかし国連の指標である「女性20万人に1カ所」と照らすと、本来は約6倍、320カ所以上のセンターが必要です。またこの施設は性暴力や性犯罪について電話相談ができますが、十分認知されていませんので、国が周知に力を入れる必要があります。

三つ目の対策は、加害根絶のための啓発や加害者更生を推進することです。

被害者の多くは誰にも相談しません。多くの被害者は「恥ずかしい」「自分さえ我慢すれば」などと、どこにも誰にも相談できず、支援につながることができず、心身に長期にわたって深刻なダメージを受けます。表面化しないことが更なる被害を生む悪循環を断ち切るためにも、犯罪抑止のためにも、社会全体に「被害者は悪くない」「性暴力は加害者が悪い」のメッセージを打ち出す必要があります。

さらに若い世代の声を政治に届ける活動をしている日本若者協議会は、「痴漢は再犯率が高く、加害者は痴漢依存症のケースが多いため、再犯防止プログラムを早い段階から長期で受ける必要がある」と述べ、「しっかりと(再犯防止指導を)受けられるようにすること」を求めています。現在、刑事施設内での性犯罪再発防止の指導は、希望者全てが受けることができません。しかも加害者が社会に戻ったあと、継続して臨床を受けられる機関や自助グループの場などは極端に少ないと言われます。加害者対策を手厚くすることは喫緊の課題です。

対策の最後は教育です。

性犯罪やジェンダーに基づく暴力は、根強く残る男尊女卑の社会通念が原因となり、引き起こされています。あらかじめ被害を防ぎ、根絶していくために、暴力を生む社会通念そのものを取り除くためのジェンダー平等教育を進める必要があります。

また日本若者協議会は、「痴漢被害にあった人からは、何をすればいいのか分からなかった、という声が多く挙げられ」ており、「痴漢被害にあったらどうすればいいのか、痴漢を目撃したらどうすればいいかなど、痴漢を含めた性犯罪の教育を教育現場で行」って欲しいと求めています。

子どもや未成年が最も被害を受けやすいというのが現実です。こうした声を重く受け止め、直ちに教育現場に反映させる必要があります。

以上、4つの対策を求める国への意見書を提案させていただきました。

ご協賛くださいますよう、お願いいたします。

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意見書案は以下の通りです。

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発議案第2号 痴漢被害への対策を求める意見書

(提出者)松崎さち
(賛成者)神子そよ子、坂井洋介、金沢和子、岩井友子


痴漢は最も身近な性暴力の1つであり、性犯罪である。これまで痴漢は「ささいな問題」、あるいは「女性が注意すれば済むこと」とされ、多くの被害者が泣き寝入りをさせられてきた。
平成31年(2019年)1月21日に「#WeToo Japan」が発表した、10代~40代を対象にした調査結果によると、電車や道路などの公共空間で女性の7割が「体を触られる」「体を押し付けられる」などの被害に遭っていた。また、同調査によると、電車内における過去1年間の痴漢被害経験率は10代が最多である。痴漢は「子ども・未成年への性暴力」でもある。
被害の後、「電車に乗ろうとすると過呼吸になり仕事を辞めた」「頻繁なフラッシュバックに苦しみ続けている」など、被害者はその後の人生に深刻な打撃を被っており、多くの場合は被害を訴えることもできないでいる。政治がこれを正面から問うてこなかったことが、痴漢を「軽い問題」扱いし、女性の尊厳を軽んじる社会的風潮を広げてきた。
よって、政府においては、下記の対策を実施するよう、強く要望する。

1. 痴漢被害の実態を調査すること。
2. 性暴力ワンストップ支援センターの増設を行うなど相談窓口を充実し、広く知らせること。
3. 痴漢加害根絶のための啓発や加害者更生を推進すること。そのために内閣府に担当部局を設け、警察庁や民間事業者と共に連携しながら政府をあげて取り組むこと。
4. 公教育に人権・ジェンダー視点に立った包括的性教育を位置づけ、性犯罪についても充実した教育を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

船橋市議会
(提出先)
内閣総理大臣、文部科学大臣

理由
最も身近な性暴力の1つであり、性犯罪である痴漢被害の実態を重く受け止め、対策を取る必要がある。これが、この意見書案を提出する理由である。

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先日の総選挙前に日本共産党中央委員会が発行したパンフレットです。ぜひご覧ください。

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