9月12日の船橋市議会本会議で、船橋市立医療センターの海老川上流地区への移転について、船橋市に質問しました。
議題は市長が議会に提案している、「議案第2号 船橋市立医療センター整備基金条例」です。▼
この説明資料にもある通り「(新しい医療センターの)基本設計における概算工事費が当初計画から大幅に増額」しました。数年前に437億円とされていた病院建て替え事業費は697.5億円と、260億円も増えました。
また、市議会が開会した9月5日、読売新聞が「病院予定地 液状化懸念」と報じました。医療センターを設計している日建設計が設計会議で「想定よりも悪く弱い地盤」と発言し、「10年程度の間に5〜10cmの地盤沈下が想定される」と書かれた資料を作っていたと報じられています。その後設計会議の議事録を取り寄せましたが、その通りでした。
▲船橋市病院局と日建設計の設計会議の議事録。読売新聞が報じた部分は65ページと80ページです。
私は12日の議案質疑で日本共産党を代表して登壇し、今は比較的固い地盤にある医療センターを軟弱地盤に移すことについての船橋市の認識と、なぜこういうことになったのか、移転決定に至るまでの検討は妥当だったのかなどについて質問しました。
質疑を通して、船橋市が専門家の指摘する危険性について否定できないでいること、医療センター移転の決定打になった可能性のある資料を市民に隠していること、当初の市の想定より新築移転工事費が3倍以上に膨らんでいることが明らかになりました。
質疑の全文は以下の通りです(文責:松崎)
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【2023年9月12日 本会議 議案質疑】
松崎:日本共産党の松崎佐智です。議案第1号と第2号に係る「船橋市立医療センター整備基金条例」と、昨年度決算について伺います。
まず医療センターですが、まず初めに、私も病院管理者である病院局長が今日この場にいらっしゃらないということについては、甚だ残念な思いでいるということは申し上げておきます。議会軽視は控えるべきです。
今年は関東大震災から100年の年です。大地震に備えて、災害に強いまちをつくっていく。このことは行政の大きな課題になっています。9月5日の読売新聞の記事を、私も読ませていただきました。「船橋、メディカルタウンの中核 病院予定地 液状化懸念」。こういうタイトルの記事で、非常に今、大事な問題提起がされていると思うんです。
先ほど市長は、先番議員のご質問にお答えになられて、3次救急、3次医療は最後の砦であると、いかに大事かと語っておられました。その点は私も共感するところなんですけど、では、なぜそれを軟弱地盤に移転しようとしているのか。今回の条例は軟弱地盤への医療センター移転を促進するものですから、このこと自体がどうなのかと問われていると考えます。
いざという時、例えば今後30年の間に7割の確率、私たちが交通事故に遭うよりも高い確率で起きると言われている大震災が起きた時に、本来活躍すべき医療センターが、ちゃんと機能するのか。そして、固い地盤に医療センターを建てることに比べて、市民の負担が増えていく。このことをどう考えているのかということだと思うんです。
それで記事にありました、船橋市と日建設計の会議録を確認させていただきました。確かに記事の通り、昨年12月、日建設計は「地盤調査の結果が想定よりも悪く弱い地盤であった」と発言をされております。
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そして今年1月25日の第19回設計会議の資料にも、記事の通り、このようにありました。
「当該敷地の腐植土層では、共用開始後から10年程度の間に5センチ〜10センチメートルの2次圧密沈下(いわゆる地盤沈下)の発生が想定される。そのため、将来的に道路面や建物と外構の境界部に段差等の不具合が生じる可能性があり、補修等の維持管理が必要となるものと考えられる」と書かれていました。
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これに関して3月に公開されていた医療センターの基本設計書、私たちには概要版が、議会には配られたんですが、詳細版を頂きまして、今日は資料として皆様のお手元に一部配っております。
「造成計画」と書かれた資料の右下には、日建設計が調査したんだと思いますが、液状化の危険度はどこが高いのか、そのことが紹介されていますし、裏面にはオレンジ色で、どこをどう液状化対応するのか。そういうことが書かれています。
ところで、千葉県が保健医療計画で指定している災害拠点病院について触れたいと思います。東葛南部保健医療圏、6市あります。(船橋、八千代、習志野、市川、鎌ヶ谷、浦安市)この6市、人口は180万人ですが、ここの災害拠点病院は今、千葉県によって6病院指定されており、その中に船橋の医療センターが入っています。
ここ地盤がどうなっているのか。ちょっと私試しに、2015年から朝日新聞がインターネット上で無料で行なっているサービスがありまして、「災害大国 揺れやすい地盤」というところがあります。参考程度だと思いますが、住所や地域名を入れると、その街の揺れやすさを表示すると、こういうサービスですので、試しに入れて確認してみました。
そうしましたら、船橋と八千代の医療センター、千葉県済生会習志野病院はローム台地(主に台地や丘陵地)ですが、「場所によって揺れやすい」とあるんですね。もう三つ、順天堂大学医学部附属浦安病院は埋立地で、「特に揺れやすい」。それから東京ベイ・浦安市川医療センター、こちらも「特に揺れやすい」と。東京歯科大学市川総合病院、ここもやっぱり「特に揺れやすい」と。参考程度だとは思いますが、朝日新聞のこのサービスが正しいとしましたら、総人口180万人という6市の災害拠点病院のうち、6カ所のうち3カ所は、特に地震の被害を受けやすい場所に建っているんだということです。
そういう中で、今は船橋の医療センターは比較的安全な場所に建っています。あえて谷底低地という軟弱地盤に移設するという政策判断というのは、私は重大ではないかなと考えます。軟弱地盤に災害拠点病院を移設するということは、良いことか、悪いことか。誤ったことだという風に船橋市が認識しているかどうかを伺いますので、端的にお答えください。
副病院局長:お答えいたします。災害拠点病院を移すことについてということだと思います。
船橋地域の医療体制の中で、3次救急を担い、救命救急センターを有する当院としては、現在の医療センターと同様に、地域の中心付近への立地が必要です。このことから建替用地については、現病院周辺の他、建築の可能性を考えられる市内の複数の土地について検討いたしました。
現病院周辺での建て替えについては、まとまった土地を確保できる見込みが立たないこと、市街化調整区域であるため、高さ制限や建蔽率、容積率などの建築制限が厳しいことから、機能的な病院を立てるのは困難だと判断しました。またその他の土地についても、病院として必要な立地条件や建築条件、必要な規模を満たすような適地は見つからない状況でした。
一方で、現医療センターは、施設の狭隘化や設備機器の老朽化が深刻な状況であり、1日も早い建て替えが必要であると考えています。現状ではハザードエリアとなりますが、新病院の周辺では土地区画整理事業で一定の対策が行われること、新病院の敷地内については浸水を想定した計画とすることや、救急動線などへの液状化対策として地盤改良を行うことから、現在計画している土地区画整理地内での移転は、新病院の機能を十分に発揮できるものと考えております。このことから、移転するということで判断しております。以上です。
松崎:私は、軟弱地盤に災害拠点病院を移設するのは良いことか、それとも良くないことなのか。船橋がどういうふうに認識されているのかを伺いましたが、お答えは、その件はありませんでした。
対策をされるとお答えになっています。液状化対策もこの図面のようにされるということなんですが、しかし強振動、強い地震についてはどうでしょうか。そして、道路はどうなんでしょうか。今回の読売新聞の記事には、大事な専門家の指摘があると思うんです。
「この地域は周囲の台地と比べると震度で1〜1.5、被害で10倍〜50倍は違う」と書かれています。さらにこの専門家は、次のようにも指摘されています。
「地下深くの固い地盤まで杭を打って建物の倒壊を免れたとしても、『建物は大きく揺れ、中の人や機器は安全ではない。取り付け道路も亀裂が入ったり陥没したりする』と分析。」 これ記事をそのまま読み上げています。
「『医療センターは災害時にこそ活躍すべきだが、機能は失われるのではないか』と警告する。」とあります。
つまり大震災に見舞われた時に、周りの台地が震度6ぐらいだった時、医療センターのある軟弱地盤は震度7〜7.5になりますと。液状化対策がされていたとしても、取り付け道路は破壊されて、救急車が通れなくなることもありうるんじゃないですかと。そういう指摘だと考えますが、本市は、この専門家の認識をお認めになりますか。ご答弁ください。
道路部長:道路についてお答えいたします。道路の地震対策は、ボックスカルバートなどの構造物、橋などの構造物が、道路の下にある場合、こういう場合には段差や落橋などを防ぐため、基礎の強化等が計画されております。
またこの病院へのアクセス道路につきましては、無電柱化が計画されており、震災時に電柱が倒壊して道路を閉塞することがないようにしております。
松崎:やっぱり対策はこうやりますとお答えいただくのですが、専門家の認識についてお認めになりますかと申し上げると、それはお答えにならないんですね。で、この医療センターの敷地内の道路はいかがですか。
副病院局長:お答えいたします。敷地内の道路については、建物のように耐震設計という考えはございませんが、舗装を構成する路床や路盤という部分の支持力については、市道などの公道と同様に定められた試験に基づき確認し、適正に施工いたします。
それと先ほどお話がありましたけど、地震の揺れが大きくなるということで、建物のことでちょっと答弁させてもらってもよろしいでしょうか。
新病院は、大地震などの災害時にも建物の損傷を軽微に留めることにより、機能を維持し、医療行為が継続できる高い耐震性能を有する施設とすることを必須要件として設計を進めております。病院棟については、建物自体の安全性のみならず、建物内の人や什器、備品の安全性を確保することを目的として、効果的に地震時の床応答加速度や層間変形などを低減させることが可能となる免震構造を採用します。設計にあたっては、令和4年度に行った地盤調査結果を踏まえ、そういった地盤条件を踏まえた上で、免震部材の選定、液状化対策を含めた杭の設計などを行うことで、建物の構造、安全性を確保します。以上でございます。
松崎:建物の免震設計のことは伺いましたが、道路については耐震設計は考えておられないというお話もありました。
今回の新病院の事業費は697億5千万円、先番議員がおっしゃった通り、大変巨額のお金が投じられようとしています。市民の負担です。市の一般会計の負担は417億円、元金分は347億円、利子分は70億円。今、金融緩和があるから利子が低く抑えられていても、この先どうなるか。世界中が利上げしているんですね。利子が膨らんでいく可能性も十分あると。その巨額の支出をすることになる基金条例です。
災害時に活躍すべき医療センターの機能が失われるんじゃないか、という専門家の認識を認めるのかどうかを伺いましたが、それについてはお答えがありませんでした。本当にこれでは、安心して事業を進めるべきとはとても考えられないと私は思います。
なぜ、こういう軟弱地盤に54億円の基金を作ってでも、本市が医療センターを移そうとしているのか。最近、市民の皆さんとお話ししていると良く聞かれるんです。なんでなんですかって。だんだん関心が高まってきているんですね。
移設先を決める経緯について、2年半前の本会議場で、当時の日本共産党の坂井洋介議員が取り上げました。ただ、今回新しい議員さんも多く、関心を持つ方が増えていますので、今日は資料付きであらためてご紹介したいと思い、資料をお配りいたしました。
これは「平成28年9月12日の建設委員会に都市政策課から提出された資料」と、海老川上流地区の特別委員会で配られていた資料です。
海老川上流地区のまちづくりは、当初から思うように進みませんでした。平成22年度=2010年度、前藤代市長はこれをなんとかしようと「海老川上流地区土地区画整理事業検討業務委託報告書」というものを公表されました。そこには基本的な考え方として、このように載っていました。
「土地区画整理事業等によるまちづくりを進めていくためには、公共投資等の一定の市費の支出が必要となってくる。一方で船橋市においても厳しい財政状況が続いており、市費の支出にあたっては、議会はもとより市民からの賛同を得られるものでなくてはならない。(略)中央エリアを取り巻く都市再生課題の解決につながり、ひいては、船橋市全体の便益につながることが望ましい」と書かれてあります。
つまり軟弱地盤の区画整理は市民の負担も多くなるので、市民の共感を呼ぶ物語や施策が必要だという話だと思います。この報告書で、海老川上流地区への医療センター移設と新駅設置が提案されています。
しかし年表にある通り、それはうまくいきませんでした。
そこで平成26年度=2014年の6月、松戸市長から事業実施方策の検討を指示された本市の建設局は、民間事業者4社に対して開発の提案を依頼しました。
私は4社とはどこかを都市計画部に伺いました。そうしましたら、野村不動産、福岡都市技術+清水建設、三菱商事、清水建設ということでした。この4社からどんな提案が出されたのか、市に写しを請求しましたら、社名以外は全面黒塗りの文書が都市計画部から出されました。それを年表の後に付けておきましたので、よかったらご参照ください。
提案の文書は三菱商事が全7枚、野村不動産は全11枚、清水建設は全5枚、福岡都市技術は全2枚とのことです。船橋市が私に公開したのは今日お配りした3枚だけです。福岡都市技術は2枚とも非開示情報でした。
ともかくこの提案を受けて船橋市は、年表にあります通り、新駅設置と駅周辺への医療センターの移設、まちのコンセプト、施設設置などの条件をつけて、4社に開発の再提案を依頼しました。
このとき船橋市は条件をつけていますが、この年表にあります。
「施設設置については、新駅設置及び駅周辺への医療センター移設の意義、理由を強化する公共公益施設の誘致を含むようにすること」ということです。つまりこのままだと医療センター移設の意義が弱いと、当局も感じていたんじゃないかなと思うところです。
そして翌年、平成27年6月には民間4社共同の再提案を本市は受け、平成28年2月の市長による医療センター移設、開発着手の表明へと繋がっていきます。
長年足踏みされていた区画整理事業が、民間4社の提案を受けて急速に走り出しました。ということは、この4社の提案は、医療センターを海老川上流地区に移設すべきだと船橋市が確信をするような、そういう中身だったのではないでしょうか。なぜあの場所に医療センターを建てるのか、みんな知りたいわけですね。私は、これ公開すべきだと思うんです。
都市計画部に伺いましたら、「民間4社が公開しないで欲しいと言ったから」と、だから黒塗りにしたと伺いましたが、公文書なんですね。そんなことはあり得るんでしょうか。今回の基金条例は、700億円近い医療センターを整備するための条例です。その契機になったのかもしれない文書が黒塗り。納得いかない話です。
本市は説明責任を果たしていないと考えますが、船橋市のご見解を伺います。
都市計画部長:議員からご紹介がありました黒塗りの資料の件でございますが、議会から資料の提出依頼があった際には、原則として船橋市情報公開条例第7条に規定される「不開示情報」に該当するものを除いて、提出することとしています。
民間事業者の作成した海老川上流地区のまちづくりに関する提案書については、その内容について、情報公開条例第7条第3号の規定にある「公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位、その他正当な利益を害する恐れがある」部分がないか、提案書を作成した法人に問い合わせ、法人が「開示を望まない」と回答した部分を黒塗りとしてございます。
また当該提案書については、これを作成した法人の著作物に該当します。著作権法において未公表の著作物については、当該法人が公表権を有していることから、著作権者より公表の同意が得られなかった部分については、情報公開条例第7条第1号に規定のある、「法令等の定めるところ、または実施機関が法律もしくはこれに基づく政令の規定により従う義務を有する国等の機関の指示、その他これに類する行為により公にすることができないと認められる情報」にも該当するものでございます。以上でございます。
松崎:今後何十年にも渡って市民に影響を与えることになる政策決定の材料になった、歴史的文書ではないかと私は考えます。公文書管理法の第1条の「目的」に次のようにあります。
「行政の諸活動や歴史的事実の記録である公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものであることに鑑み」という趣旨の文章です。主権者は企業じゃないんですね。国民なんです。
提案4企業に忖度をしているんじゃないか。今回公開しないというのは、公文書管理法の目的に反するんじゃないかと考えますが、その点について、反するか反しないか、市のご見解を伺います。
総務部長:提案書について不開示としたことの取り扱いの件ですが、先ほど都市計画部長がご答弁した通り、その開示にあたっては、船橋市情報公開条例に照らし合わせて、開示するものか、不開示とするものか、ということで判断させていただいているものです。内容については、それぞれ個別にありますので判断をしなきゃいけない部分も確かに生じますが、例えばプロポーザルに関する提案書については、開示請求が、もしそれに対してあった場合につきましては、当該提案書に企業のノウハウなどの不開示情報がないかと、意見照会を行うことが一般的でございます。
この度は意見照会を行った結果、不開示ということで判断をしているところでございまして、当該提案書を所管する各所属において、個別具体的に判例あるいは国の情報公開に関する答申なども踏まえながら、個別具体的に判断をしているところというところで認識をしております。以上です。
松崎:私はこの後の4社共同提案も含めて、やっぱり全面公開をすべきだと考えますので、この件については続けて取り上げていきたいなというふうに考えます。
今回の医療センター移転ですが、やっぱりスタート時から非常にずさんだったのではないかと考えています。黒塗り資料の次、最後の資料をご覧ください。
こちらは2015年、平成27年2月に船橋市が作った「医療センターの建て替え検討のための基礎調査業務 調査結果」のコピーです。共産党の岩井友子議員が本市からいただきました。議会には概要だけが配られまして、本体が配られなかったんですね。
この基礎調査の結論は「医療センターの現地建て替えはデメリットの方が多い。早期の移転建て替えが必要。」 こういう結論になっていました。このデメリットの一つとして、一番最後のページの左下にも書いてありますが、「新築建物以上の工事費が現地建て替えだと必要になる」と。そういうふうに書かれているんですね。
では、その現地建て替えの概算工事費が、幾らだとあるか。お配りしたこの資料にある通り、約180億円です。
一方で、移転新築の場合はどうか。資料の一番最後じゃない方のページ、真ん中あたりに参考資料、移転新築の場合の概算工事額というのが載っていますが、ここに移転新築の場合、172億8千万円と書かれているんですね。
他にも現地の建て替えのデメリットとして、使い勝手がよくないなどのことは書かれていますが、少なくとも新築移転の概算工事費については、もはや現状との乖離が激しすぎると。今560億円、工事費かかるとされている。その3分の1未満の金額になるとしか、この当時想定されていなかったんですね。新築移転だと。
この当時の検討が果たして十分だったと言えるのか、言えないのか。その点についてご見解を伺います。
健康部長:お答えいたします。こちらの調査項目の策定した時点での新築の工事費につきましては、こちら、いくつかのですね、先行して新築が終わっている類似事例に基づいて、必要な病床数をですね、掛け合わせてこれを積算をしているところです。ですので、具体的な移転地をもとに新築工事費を積算したものではない、という形になっております。以上でございます。
松崎:類似の事例に基づいてやったものだったということなんですが、検討は不十分だったということをお認めになるのでしょうか。その点についてご認識を伺います。それともう一つ、この調査では軟弱地盤への医療センターの建て替えリスクについては検討が行われていたのか、ご答弁ください。
健康部長:お答えいたします。この基礎調査、業務調査の結果はですね。「新たな敷地への移転も視野に入れた検討が必要である」と、報告されているだけであって、明確な移転先の記載はございません。ですので、移転先が軟弱地盤かどうかも分かりませんので、そこの検討には至っていないと、いうところでございます。以上でございます。
(誰かが何かを発言)
いわゆる現所在地での建て替えを、まず検討している調査でございます。その結果、メリット、デメリット、そして概算ですけれども、新築工事費等を総合的に判断して、先ほどご答弁しましたように、「新たな敷地への移転も視野に入れた検討が必要である」と報告されましたが、明確な移転候補地の記載はなかったといった部分でございますので、この時点での検討は十分なされたものと判断しております。以上でございます。
松崎:この時点では十分だったとおっしゃるんですが、例えばこの移転新築の場合、駐車場を建てるとどれくらいかかるかとか、そういうことも書かれていないんですね。検討に入ってなかったとおっしゃっておられました。それから用地費も無いと。これが当時十分な検討だと判断しているということでしたら、かなり瑕疵があったというふうに言わざるを得ないと思います。
平成27年=2015年当時の想定の3倍以上の金額、当初183億円だと、違う、解体も入れれば183億円と、172億円が新築建物ですね。これが今560億円になっているわけですから、これは本当に重大なことだと思いますし、やっぱり最初に戻るべきじゃないかなと考えます。
物価高騰は終わりが見えません。先ほど申し上げましたが、今後、利上げもあり得ます。一般会計負担金417億円のうち70億円と想定する利息も、甘い見通しではないかと考えます。しかも災害リスクについても、ほとんど検討もされていないと。ここまでわかった以上は、私は、新病院の海老川上流地区への移転は本当に白紙撤回すべき、少なくとも凍結すべきだということを改めて申し上げておきたいと思います。
▲新しい医療センターの工事工程計画(日建設計による「船橋市立医療センター等建替工事 基本設計業務 基本設計書」より)
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