9月議会で一般質問を行いました。海老川上流地区開発、「生活保護は権利」ポスター、性犯罪防止の啓発について

まちづくり

早くも一般質問が明日には最終日です。日本共産党は9日に神子そよ子市議、10日に私、13日に坂井洋介市議が一般質問を行いました。明日は岩井友子市議が登壇し、新型コロナ問題を中心に取り上げます。(金沢和子市議は6日に議案質疑を行い、やはり新型コロナ問題を中心に市の姿勢を質しました)

10日の私の一般質問の1問目は下記の通りです。途中で言い間違いをしてしまったのですが、原稿の段階から既に間違えていました😭 注釈を入れつつ、そのまま掲載いたします。

また最後に、質問の参考にさせていただいた日本共産党東京都議団の「痴漢被害アンケート」(2020年に実施)のページと、「痴漢をなくすことについて」取り上げた米倉春奈都議(豊島区選出)による今年2月の質問が掲載されたページのリンクを載せました。痴漢ゼロの東京をめざすとりくみです。ぜひご覧ください。

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日本共産党の松崎佐智です。時間の関係で、広報と啓発、海老川上流地区についてのみ伺います。

初めに、生活保護は国民の権利だというポスターの作成を求めます。 

先月、タレントがYouTubeで生活保護の利用者やホームレスの人に対するヘイト発言を繰り返し、ネット上で批判が殺到するという出来事がありました。

ご本人は動画を消して謝罪しましたが、謝罪の中身は「ホームレスや生活保護を受けている人の中には働きたくても働けない人もいる。社会復帰を目指して頑張っている人にあの言い方はよくなかった」というもので、頑張っているように見えるかどうかで、他者の生きる権利を自分が判定できるという傲慢な考え方は変わっていませんでした。

生活保護問題対策全国会議、つくろい東京ファンドなど4団体が出した緊急声明には、「優生思想そのものであり、断じて容認できない。貧困や生活困窮には社会的な要因があり、社会全体で生存権を保障する、権利としての生活保護があるということについて、根本的な理解を欠いていると言わざるを得ない」とありますが、その通りだと思います。

こうしたヘイトはホームレスの人への暴力を誘発し、支援が必要な人を制度の利用から遠ざけます。日本の生活保護の補足率は2割程度です。本市の被保護者も昨年2月の9,137人から今年8月は9,162人と、コロナ禍と人口増の割に増えていません。2012年からの生活保護バッシングの影響で、生活保護を嫌って避ける人が多いからだと考えます。

タレントの暴言の後、厚生労働省はTwitterで、生活保護は国民の権利だとツイートし、札幌市と野洲市は生活保護の申請は国民の権利だというポスターを作り、話題になりました。議場の皆さんにお配りした資料にポスターを載せましたので、ご覧ください。※

今船橋市は1階のロビーに生活保護のしおりを置いていて、こういうのは大変大事だと思います。私はさらに、生活保護は権利だと呼びかけるポスターを、公共施設や駅、ネットカフェやコンビニ、ファーストフードなど、目立つ場所に貼って啓発、あるいは困窮者に制度を知らせていただきたいのですが、いかがでしょうか。ご答弁ください。

(※議場に配った資料:札幌市と野洲市が作っているポスター)

 

次にジェンダー問題で、性犯罪を防止する啓発について伺います。

本市の路上には、あちこちに「痴漢に注意」という看板が見られます。しかし実際の性犯罪の場面では、被害者の半数は怖くて何もできなかったという調査結果がありますし、そもそもなぜ加害者に注意せず、被害者に呼びかけるのかと疑問に感じます。

痴漢は性暴力です。人権を侵害する性犯罪ですが、非常に軽んじられ、日々、被害と加害が繰り返されています。お配りした学校教育部の資料で、市内の被害状況をご覧ください。学校教育部が精査をしたものではありませんが、訴え自体はこれだけありました。※

(※ 議場に配った資料:学校教育部がまとめた、2020年度の不審者情報)

痴漢が無くならない背景に、実態が社会全体に共有されていないことがあります。日本共産党東京都委員会が昨年ネットで痴漢被害アンケートを取り、回答者の約1割は千葉県民でした。都内と状況は大差ないと思われますので、調査結果をご紹介します。

回答者1435人のうち96%が被害にあったことがあり、被害を受けた年齢は7割の方が18歳以下、3割の方は小学生以下でした。

ではどういう実態があるのか。次のような回答がありました。

小学1年生は見知らぬ男性にマンションの最上階に連れて行かれ、下着を脱がされ、性器を触られた。逃げようとすると殴ると脅され、怖くて騒ぐと相手の股間に口をつけさせられ、精液を飲まされた。

別の方々はこうです。

生活範囲全てで被害に何度も何度も何度もあった。

夕方の路上で後ろから抱きつかれ、首を絞めながら殺してやると言われた。苦しくて力が入らなくなったら体をまさぐられた。

腹部にカッターが当たっていたので抵抗できなかった。携帯電話を盗られ、LINEを交換され、学生証も見られた。次の日に大学の最寄り駅で待ち伏せされた。

被害でどんな気持ちになったかという質問に対しては、次の通りです。

PTSDのために大学を1ヶ月で退学した。発作や不眠症で仕事もできなくなった。

何十年経っても頻繁に思い出し、胸が苦しくなり、精神薬を飲んでいる。

思考力がかなり落ち、勉強に集中できない。男性が隣に座ると怖くてパニックになる。

自暴自棄になった。

ノイローゼになり、水も飲めなくなった。

死にたい。

自分の存在を消したい。

など、様々な答えがありました。

痴漢被害の影響は非常に深刻ですが、「痴漢に注意」という看板からは、性暴力をなくそうというメッセージが読み取れません。むしろ被害を軽視し、被害者側に自己責任論を押し付けていると感じます。

そうではなくて、船橋市は日々繰り返される性暴力を許さないというメッセージを発するべきではないか。私たちは性暴力を見て見ぬふりをしていますが、やはり深刻な人権侵害だと加害者に警告するような発信や啓発をすべきだと思いますし、こういう看板は「暗くて危険」「痴漢は性暴力」などに変えるべきだと考えますが、いかがでしょうか。ご見解を伺います。

 

次に、海老川上流地区の開発について、温暖化との関連で伺います。

先月、IPCC=国連の気候変動に関する政府間パネルが、人間の活動が地球温暖化に関連していることは疑う余地がないと初めて断定しました。早ければ2030年前後に平均気温が産業革命前から1.5度上がると言います。

1.5度上がれば、過去の記録上、前例のない猛威を奮う異常気象現象が頻度を増して発生する。

近年の海面水位の上昇率は1901〜1971年に比べて3倍近く増えた。

とも報告されています。

先番議員も言及されていましたが、近年雨量が増え、今年も徳島、神奈川、新潟などの各地で1時間100ミリの大雨が降りました。広島、福岡、佐賀では、雨量が2018年の西日本豪雨を超えました。

おととしの台風15号では、船橋市内の1時間あたりの最大雨量は35.5ミリですが、本町で海老川が氾濫寸前まで水位が上がり、市内各地で床上・床下浸水が起きました。気候変動の影響を実感します。

そういう中で本市は海老川上流地区の開発を進めていますが、千葉県の都市計画区域マスタープランには、次のようにあります。

「海老川沿いの水田は、これらの区域が市街化した場合、溢水や湛水の災害発生が予想され、かつ、下流の既成市街地への影響も著しいものがある。これらの区域については、広域河川改修事業等の治水対策と調整を図りつつ、計画的な開発以外、極力保全に努める。」

区域内とともに、下流の既成市街地への影響が強く懸念されています。

洪水内水ハザードマップでは、海老川沿いの市場、宮本、本町などは、9時間で516ミリの雨が降った場合、最大3メートルから5メートル浸水すると想定されています。5メートルとなると、建物の2階の屋根まで水が来ます。

区画整理予定地の下流部への影響の懸念に対して、船橋市は県の事業である海老川調節池が完成すれば大丈夫と説明していますが、1979年から着工し、40年以上経っているこの調節池は、地権者の同意が9割程度しか集まっておらず、完成していません。

海老川調節池が完成すれば、海老川は市街化の基準である1時間50ミリの雨に対応しますが、未完成ですので、1時間30ミリの雨に対応しているに過ぎないんですね。ですから、おととしの台風15号が来た日、堤防のすれすれまで海老川は水位が上がりました。

今回、この区画整理を進めることは、まさに千葉県がハザードマップ(※マスタープランの間違いでした)で指摘している懸念を現実にするのではないでしょうか。

私はこれ、深刻なモラルの崩壊だと考えます。区画整理終了後に学区をどうするかという前に、まずは海老川調節池が完成していないにも関わらず、区画整理を進めても本当にいいのか。これを検証すべきではありませんか。

区画整理の予定地は盛り土をすると言いますから、なおさら下流部に水が集まります。温暖化による前例のない異常気象が頻度を増すという状況で、海老川調節池が未完成のまま区画整理を進めれば、下流部の既成市街地に著しい影響、もしくは危険性がある。そういうご認識は船橋市にはありますか。ご答弁ください。

以上で1問とします。

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2021年2月25日 米倉春奈都議の一般質問(①事業者の支援について、②痴漢をなくすことについて)

痴漢被害 深刻な苦痛/党都委ジェンダー平等委が調査結果を発表ー日本共産党 東京都委員会 2021年2月19日

 

痴漢や性暴力の防止については、象徴的だと思ったことから看板についてのみ触れましたが、質問の最後に「根本的には啓発だけではなく、市内の被害実態の調査・把握、支援の周知と強化、積極的な情報発信、加害者も被害者も生まない教育が必要です。今回は要望のみにして改めて取り上げます」と付け加えました。

誰も被害者にも加害者にもならない、性暴力を根絶する社会に変えていきましょう。ご意見やご要望など、ぜひお寄せください。

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