千葉県館山市で台風災害ボランティア。想像を超える被害が広がっていました

災害

14日、台風15号と19号の被害を受けた館山市布良へボランティアに行き、被害の大きさに驚きました。同時にボランティア頼みが中心という国の災害対策は大問題だと思いました。

「日本共産党台風15号被災者支援房総半島ボランティアセンター」を訪れた際に「館山市で最も被害が大きい布良に行って欲しい」と要請を受けて、布良を訪問しました。行ってみると、多くの家の屋根にブルーシートが掛けられていました。ドアが歪んだり、ガラスが割れ壁の一部が無くなっている家もありました。ボランティアの中身は、主にブルーシート展張や罹災証明に関する情報提供、被災地の皆さんからのご要望の聞き取りです。宣伝カーで行ったので情報提供の放送も行いながら進みました。

こちらのお宅は9月の台風15号で2階の屋根が吹き飛び、今月の台風19号で2階そのものが吹き飛ばされました。怖かったと語るご高齢の女性がお一人暮らしです。私と同行したボランティアさんがご要望を伺ったところ、「明日から参考価格5万円〜8万円でブルーシート貼りを受け付けるという業者のチラシを入手した。この業者が館山市の公認なのか知りたい」とのこと。

布良地区では400軒が停電していて、電話を使えないという世帯もあります。私の携帯電話で館山市に問い合わせたところ、「それは千葉県の事業の委託業者だ」とのことでした。有料ですが、15日から申込受付が開始されます。

なお館山市の社会福祉協議会ではブルーシート貼りのボランティアを斡旋していますが、申し込みが殺到して対応しきれず、75歳以上世帯か障害のある方のみの世帯に受付を限定しています(10月14日現在)。その限られた世帯でさえ順番待ちで、いつになるか分からない、それでも良ければ受け付けるという状況です。社協のボランティアセンターもかなり大変そうです。

被災された女性は「近所の人が心配だからこの情報を伝える」と話してくれました。

女性の家の、19号で吹き飛ばされた屋根のトタン。さらに風で飛ばされ他人の財産を傷つけないようにブルーシートで覆って土嚢で押さえています。

途中で日本共産党南部地区委員会の常任委員である沖山さんが合流してくれました。ご自身も被災された中、「うちよりここが大変」と精力的に地域を回って情報提供などをされています。

一緒にボランティアに行った船橋市の党後援会の方と、千葉県生活と健康を守る会連合会の小山真樹さん。女性の家の屋根から台風19号で吹き飛んだブルーシートを片付けているところです。

女性はその後、台風15号で風車が飛んできて怖かったと教えてくれ、「車が入れない小道沿いに住む人たちはボランティアの皆さんに発見されず、もっと大変では」と心配されていました。

こちらのお宅もご高齢の男性がお一人暮らし。台風15号で屋根瓦が多数吹き飛び、ブルーシートで覆っていたものの、やはり台風19号で吹き飛ばされ写真のような状態に。館山市社協のブルーシートボランティア制度をご紹介しました。また停電で井戸水が使えずトイレも利用できない、テレビも観られず情報が得られないとのこと。「風呂なんて全然入れない」「ここに住むのは怖い。4〜5km先に避難所の旧神戸小学校があるが、そこでは自分はよそ者だし行きづらい。自分だけ布良から逃げるわけにもいかない」と言います。もっと近くに旧富崎小学校という廃校がありますが、そこは壊れていて避難所ではないとも。館山市によると開設中の避難所は旧神戸小学校と菜の花ホールの二箇所のみでした。

男性は屋根から落ちてきた、再利用できそうな瓦を集めておられました。

台風でガラスが壊れたという倉庫の窓。ガラスは完全に外されています。

共産党のボランティアセンターで渡されたご要望聞き取りシートに書き込み中。帰りにボランティアセンターにシートを渡しました。

男性は「電線が台風19号の影響で屋根の下まで落ちてきて怖いが、停電で電話が使えず、東電に連絡できない」とのことで、私の携帯電話で東電に連絡させて頂きました。受付の女性も多忙を極めていそうで心配です。

他にも被災者の皆さんにお話を伺ったところ、「停電で携帯電話が充電できず、困っている。充電できる場所が欲しい」「社協のブルーシートボランティアの対象外だから申し込めないが、業者を頼む金銭的な余裕もない」「市の職員はここに来て実態を見るべきだ」という声が出されました。おそらく自治体も職員削減の影響で対応しきれないのではないでしょうか。

これだけの甚大な被害が広がっているのに、ボランティア頼みで解決するのは無理があります。それに5万円、10万円とお金を出して業者にブルーシートを貼ってもらっても、またいつ台風が来るのか分かりません。満額でも月65000円しかない国民年金で暮らしている、毎月病院にも通うという人が「とても業者には頼めない」というのも当然です。業者に頼んでも無料で済むよう、国が助成すべきです。この方には生活保護のご利用を勧めました。

政府は災害対策も介護も医療も、自助、共助、公助ということでボランティアを推進しています。しかしそれで国や自治体が住民の命と暮らしを守るという責任から逃れ、軍事費への浪費や法人税減税などが行われています。結果、いざという時に見捨てられる国民が多いという状況です。税金の使い方集め方の切り替え、災害支援の抜本的な強化、地球温暖化防止のために自然エネルギーへの方向転換が必要です。

 

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