船橋市が公民館や文化ホール、障害者福祉施設などの民営化を検討

公共施設

今日の市議会総務委員会で、船橋市が「行革」で民営化しようとしている具体的な公共施設名をあげた資料が出されました。

船橋市は扶助費や公債費(市の借金の返済)の伸びによって毎年30億円以上の赤字が生じるため、国保料や下水道料・保育料の値上げなどによる市民負担増や、公共施設の民営化、市の単独事業の廃止・縮小に乗り出すとしています。一方で海老川上流地区の開発(170億円)や船橋駅南口再開発(50億円)など、大規模事業を計画しています。

今後民営化することを決定した公共施設として、運動公園・法典公園、一宮少年自然の家、青少年キャンプ場、市営住宅があげられました。

また民営化の検討を行う公共施設として、公民館、文化ホール、きららホール、児童ホーム、簡易マザーズホーム、子育て支援センター、身体障害者福祉センター、身体障害者福祉作業所太陽、馬込・習志野霊園、行田・高瀬下水処理場上部運動広場があげられました。

船橋市は民営化(指定管理者制度導入)の理由として「民間活力の活用でサービス向上、コスト縮減が見込める」としていますが、全国の指定管理の現場では、人件費切り下げで「充分な給料が得られない」「働く人の非正規化が促進される」などの問題が起きています。「5年単位の契約なので雇用が安定しない」「契約を取るためには賃金削減しかない」などの声も。公共施設の民営化は官製ワーキングプアの増大につながっています。

また船橋市は市民意見を聴取するためにパブリックコメントとWEBアンケートを行いますが、8月19日から9月18日までというわずか一カ月の期間です。

市民とともに「行革」を考える取り組みの一環としてワークショップを2回行うとのことですが、それぞれ大学生約20名、無作為抽出された市民3000名のうち約20名だけとのことで、これを知った市民からは「本気で市民の意見を聞こうとしているのか疑問」という声が出されました。全く同感です。

総務委員会ではWEBアンケートの例も示されました。

受益者負担の見直し(国保料、下水道料、保育料の値上げなど)を問うアンケートでは、「あなたの考えに最も近い考えはどれですか」という質問に対して回答は、

(1)他のサービスを充実させるために、積極的に見直しを行うべき

(2)増加する市民サービスに対応していくためには、見直しもやむを得ない

(3)他のサービスを抑制してでも、引き続き税金等を投入し、見直しを行うべきではない(→次の設問へ)

(4)わからない

(5)その他

となっています。これでは「不要不急の大規模事業をやめ、見直しを行うべきではない」という回答の場合は「その他」しか選べません。設問自体が市民サービス削減ありきになっています。

しかも「その他」の場合に自由記述欄があるかと思いきや、それぞれの項目にはなく、「最後にまとめて書いてもらうつもり」とのことでした。自由な意見をなるべく書きづらくさせようという意図があるのではないかと言いたくなってしまいます。

実際、これを審議した6日の行財政改革推進会議を傍聴した方によると、委員から「なるべく反対意見が増えないようにするにはどうすればいいか」という視点の意見が出されていたと言います。

「市の単独事業の見直し」というアンケートの例も同様の傾向があります。

総務委員会では、はまの太郎議員が「そもそも公債費の増大は不要不急の大規模事業を行ってきたことに原因があるのではないか」と指摘していましたが、実際に船橋市は三番瀬環境学習館、市立船橋高校第3体育館、運動公園プールなど各20億円超の事業を立て続けに行ってきていました。

そうした放漫な財政運営がどうだったのかの分析も反省もなく、市民負担増と民営化、サービス削減を市民に押し付けるのが今回の「行革」です。日本共産党はこれを押し返し、市民のための市政を実現するために奮闘していきます。

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